【防災】
Xで災害情報を発信・拡散した経験がある人の半数は、偽情報を見分ける自信がある
―その情報拡散しても大丈夫ですか?―
(2024年8月29日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
調査結果
2023年11月実査より、災害情報のXで発信・拡散についてまとめましたので、お伝えします。
1. Xで災害情報を発信・拡散した経験がある人は、偽情報を見分ける自信が高い傾向
災害時に、Xを利用して災害に関する情報を発信或いは拡散をおこなった経験(知人へのダイレクトメッセージは除きます)がある人は約1割でした(2024年3月4日レポート図4参照)。また、災害時のフェイクニュース・デマなど偽情報を見分ける自信がない人は25%ほどでした(2023年12月7日レポート図1参照)。災害時のX等、SNSの利用は増える一方、偽情報の拡散など、課題もあります。
今回はXを用いて災害情報を発信・拡散した経験の有無と、偽情報を見分ける自信の有無の関係を分析してみました。
その結果、災害情報の発信・拡散をしたことがある人は、偽情報を見分ける自信がある割合が高い傾向であり、発信・拡散がある人は、ない人と比較して、偽情報を見分ける自信がある割合が25ポイントも差がありました。
図1. Xで災害情報を発信・拡散した経験と偽情報を見分ける自信
2. 若年層の中で、Xで災害情報を発信・拡散した経験がある人は、偽情報を見分ける自信がより高い傾向
災害時に、Xを利用して災害に関する情報を発信或いは拡散をおこなった経験が多い10~20代について、発信・拡散と偽情報を見分ける自信を合わせた結果を図2に示します(2024年3月4日レポート図2参照)。発信・拡散をしたことがある人の中で、偽情報を見分ける自信がある割合は、約6割と図1で示した全体より高い傾向でした。
図2. Xで災害情報を発信・拡散した経験と偽情報を見分ける自信(10-20代)
3. 発信した経験がある人の方が、より偽情報を見分ける自信が高い傾向
発信と拡散を分け、偽情報を見分ける自信を合わせて見ました。図3の通り、発信した経験がある人の方が、より偽情報を見分ける自信が高い傾向でした。
図3. Xで災害情報を発信・拡散した経験と偽情報を見分ける自信(発信・拡散経験別)
4. 発信・拡散した経験がある人の半数はファクトチェックを知らない
偽情報の発信や拡散を防ぐためにも、ファクトチェックなどの対策が求められます。それでは、Xで災害情報を発信または拡散した経験がある人は、どれくらいファクトチェックを知っているのか、分析しました。(図4)
また、Xで災害情報を発信・拡散した経験とファクトチェックの理解をあわせてみたところ、図4の通り、発信・拡散をしている人は、用語の理解が他と比較し高いですが、理解していない・聞いたこともない人は半数を超えていました。
図4. Xで災害情報を発信・拡散した経験とファクトチェックの理解
同様に災害情報の真偽を見分ける自信とファクトチェックの理解を合わせて見ました。その結果、真偽を見分ける自信がある人の35%は、ファクトチェックを理解していない・聞いたこともないと答えました。
図5. 偽情報を見分ける自信とファクトチェックの理解
災害時には迅速かつ詳細な情報を得るために、XなどのSNSが利用する人が増えています(2024年7月4日レポート参照)。一方、偽情報・フェイクニュースなどが拡散される課題もあります。また、生成AIなどを利用した偽情報は、巧妙であり、その真偽を見極めるのがより難しくなっています。
その情報を広める時、真偽を見分ける自信があるからといって、安易に拡散するのではなく、発信元の確認(ファクトチェック)などを行うなどし、偽情報を拡散しないことに努める必要があります。
このような調査結果を多く掲載した「データで見る防災ガイド」を公開しています。ご自身の災害への備えの状況と調査結果を比較しながら、ご活用ください。なお、書き込み式となっていますので、是非印刷し活用してください。
なお、防災に関する調査結果は「モバイル社会研究所白書2023年版」でも紹介しています。
当白書は、防災に関する調査結果だけではなく、ICT利用状況全般の調査結果をまとめていますので、是非ご覧ください。
・モバイル社会研究所白書2023年版(全体)
・モバイル社会研究所白書2023年版(防災調査)
調査概要―「2023年防災調査」―
調査方法 | Web |
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調査対象 | 全国 15~79歳男女 |
有効回答数 | 8,991 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2023年11月 |
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モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
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