【シニア】
シニアのスマホスキルは上昇傾向 特に70代前半の上昇が大きい
(2025年1月24日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
調査結果
2024年1月に訪問留置法(調査員が訪問し調査を承諾頂いた方に紙で質問票を配り後日回収)を用いて実査(60歳~84歳が対象)した結果より、スマホスキルについて、分析した結果をお伝えします。
1. アプリのダウンロードや削除をできる60代前半は8割強、70代後半以上は4割未満
多くのシニアがスマホを所有しています(レポート2024年3月18日参照)。また、スマホに加え、タブレット・パソコンを利用し、様々なサービスを利用しています(レポート2024年12月19日参照)。では、スマホを所有しているシニアは、どのような機能を利用できているのでしょうか。
図1ではスマホで利用するスキル9つを挙げ、実施可能な機能を答えてもらいました。その結果、メールやメッセージを送信できる・カメラを使って写真や動画を撮影できるシニアは、全年代で8割を超えることがわかりました。一方、アプリのダウンロードや削除ができるシニアは、60代前半では8割以上ですが、70代後半以上になると4割未満となりました。
表1. シニアのスマホスキル(スマホ所有者が対象,%)
2. スマホのスキルは上昇傾向 特に70代前半の上昇が大きい
実施可能なスマホのスキルがどのように変化しているか、この3年間の経年推移を分析しました(80代前半は2024年のみ調査)。シニア全体では、実施可能なスキルの平均数(表1に表示した9つのスキルのうち、一人が平均して何個できるか)が5.6個から6.0個に増加しています。特に70代前半では、1年間に0.5個ずつ上昇しています(図1)。
図1. シニアのスマホスキルの経年推移
※スマホで利用するスキル9つのうち、一人当たり利用できる個数を算出。なお全体は60代及び70代の平均。(スマホ所有者が対象)
3. 60代後半以上は男性が女性より利用できる割合が高い傾向
次に、それぞれの年代ごとに男女差を分析します。男性の実施可能な割合から女性の実施可能な割合を引いた値を表2に示します。多くのスキルにおいて、男性が女性よりも高い傾向が見られます。特に60代後半以上では、男性の割合が顕著に高くなっています。
図2. シニアのスマホスキル 男女差(スマホ所有者が対象,ポイント)
※利用できる割合を男性-女性で算出
4. 所有時期が5年より前だとスマホスキルは高くなる傾向
最後にスマホ所有時期と、利用できるスキルの関係について、見ていきます。表3の通り、スマホ所有期間が長いとスキルが長い傾向です。特に5年以内と5年より長い場合では、差があります。
表3. シニアのスマホスキル 所有時期別(スマホ所有者が対象,%)
シニアに関する調査結果は「モバイル社会研究所白書2024年版」でも紹介しています。当白書は、シニアに関する調査結果だけではなく、ICT利用状況全般の調査結果をまとめていますので、是非ご覧ください。
・ モバイル社会研究所白書2024年版(シニア調査)
・モバイル社会研究所白書2024年版(全体)
調査概要 ―「2024年シニア調査」―
調査方法 | 訪問留置調査 |
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調査対象 | 全国・60~84歳男女 |
有効回答数 | 1,130 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2024年1月 |
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