【シニア】
シニアのインターネット利用時間が長くなる
特に60代女性のスマホ利用時間はこの2年で1.5倍(32分)も増加
(2025年5月16日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
調査結果
2025年1月に訪問留置法(調査員が訪問し調査を承諾頂いた方に紙で質問票を配り後日回収)を用いて実査(60歳~84歳が対象)した結果より、インターネット利用時間について、分析した結果をお伝えします。
1. 60代のスマホ利用時間は女性が長い パソコン利用時間は全年代で男性が長い
10年前と比較し、シニアの方はスマホの所有率が約4倍に増えました(2025年3月24日レポート参照)。それでは、スマホを含むインターネット(情報機器)の利用時間(1日平均)はどうなっているのか、調査の結果をまとめました。
図1は各年代別のスマホ・パソコン・タブレット利用時間(仕事での利用も含む)になります。どの年代も男性はパソコン利用時間が長いです。スマホの利用時間は、60代では女性が長く、70代・80代前半は男性が長いです。
なお、対象者はそれぞれの年代全て(各情報機器の未所有者も含む)となります。
図1. シニアのスマホ・パソコン・タブレット利用時間 (1日平均)
2. 60代女性のスマホ利用時間は2年で1.5倍(32分)も増加
次に、ここ2年間の利用時間の経年比較を見てみます。スマホ・パソコンの利用時間ともにほとんどの性年代で上昇傾向が続いています。特に60代女性のスマホ利用時間はたった2年の間に1.5倍(32分)も増加しています。
図2. シニアのスマホ利用時間 (1日平均)[経年変化]
※80代前半は2024年から調査開始
図3. シニアのパソコン利用時間 (1日平均)[経年変化]
※80代前半は2024年から調査開始
3. 正規社員のパソコン利用時間が長く、男女差は少ない
それでは何故男女に差が生まれているか、その一つの要因が「就業状況」の違いがありそうです。図4の正規社員では、男性と女性の間にスマホ・パソコン利用時間に大きな差はありません。ただ、正規社員の占める割合(図5参照)が大きく異なり、男性の方が多いです。また他の就業状況では、男性がややパソコン時間が長め、パート・アルバイトでは女性のスマホ時間が長い傾向が見られました。
図4. シニアのスマホ・パソコン・タブレット利用時間 (1日平均)[就業別]
※男性の主夫は回答者数が少ないため、非表示にしています
図5. シニアの就業状況
4. スマホ利用時間は近畿・東海・関東、パソコン利用時間は近畿・関東が全国平均を上回る
次に地域別のスマホ・パソコン時間を見てみます。図6の通り、近畿・東海・関東はスマホ利用時間が長く、近畿・関東はパソコンの利用時間が長いです。
図7の通り、近畿・東海・関東は、スマホの所有率が高く、そのことが利用時間と関係している可能性があります。ただ、パソコン利用時間が長い近畿・関東のパソコン所有率(家族含む)は、最も高い訳ではありません。
図6. シニアのスマホ・パソコン利用時間 (1日平均)[地域別]
図7. シニアのスマホ・パソコン所有率 [地域別]
シニアに関する調査結果は「モバイル社会研究所白書2024年版」でも紹介しています。当白書は、シニアに関する調査結果だけではなく、ICT利用状況全般の調査結果をまとめていますので、是非ご覧ください。
・ モバイル社会研究所白書2024年版(シニア調査)
・モバイル社会研究所白書2024年版(全体)
調査概要 ―「2025年シニア調査」―
調査方法 | 訪問留置調査 |
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調査対象 | 全国・60~84歳男女 |
有効回答数 | 1,300 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2025年1月 |
問い合わせ先
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モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
< https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html>