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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【シニア】
ICTを使いこなせないことでシニアが感じる情報格差
―友人との交流が活発なシニアがより強く感じているー
(2023年9月22日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • 4人に1人は「災害情報」に関して、5人に1人は「経済損失」「人との連絡」について、情報格差を感じている(図1
  • 女性がより強く情報格差を感じている(図2
  • 友人との交流が活発なシニアは、情報格差をより感じている(図3

調査結果

2023年1月に訪問留置法(調査員が訪問し調査を承諾頂いた方に紙で質問票を配り後日回収)を用いて実査した結果より、シニアが感じている情報格差について、分析した結果をお伝えします。

1. 4人に1人は「災害情報」に関して、5人に1人は「経済損失」「人との連絡」について、情報格差を感じている

シニアの方にもスマホが浸透(2023年3月27日レポート)し、SNSの利用率(2023年8月28日レポート)もあがっています。その一方、若中年層と比較するとICTの利活用は進んでおらず、報道等では情報格差(デジタル・デバイド)がクローズアップされることがあります。今回はシニアの方に、スマホやパソコンが使いこなせないことにより、不満や不利益を感じるか、調査しました(図1)。調査の中では「人との連絡」「自治体・カルチャースクールへの参加機会」「災害情報」「経済損失」に関する6項目を聞いています。調査の結果、4人に1人は「災害情報」に関して、5人に1人は「経済損失」「人との連絡」について、情報格差を感じています。

図1. シニアが感じる情報格差(n=1,350)

2. 女性がより強く情報格差を感じている

情報格差をより強く感じていた「災害情報」と「経済損失」について、性年代別に見たのが図2です。同年代の中では、女性がより強く感じています。

図2. シニアが感じる情報格差 性年代別(n=1,330)

3. 友人との交流が活発なシニアは、情報格差をより感じている

友人との交流が多いシニアは、全項目で情報格差を感じている割合が高いです(図3)。

図3. シニアが感じる情報格差 友人との交流頻度別(n=1,328)

今回の分析の結果、友人との交流が盛んなシニアほど情報格差を感じていました。多くのシニアがスマホを所有していますので、友人と接触する頻度が高ければ、同世代の中で使いこなしている人と合う可能性も増え、格差を感じることも多そうです。

その一方、同世代と接する機会が少ないシニアの中には、ICT利活用ができていないながら、格差を感じていない層も存在しそうです。

調査概要 ―「2023年シニア調査」―

調査方法 訪問留置調査
調査対象 全国・60~79歳男女
有効回答数 1,350
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期 2023年1月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『ケータイ社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html

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