【シニア】
70代約6割、80代は約7割がスマホ使いこなせていないと実感
(2024年8月8日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
調査結果
2024年1月に訪問留置法(調査員が訪問し調査を承諾頂いた方に紙で質問票を配り後日回収)を用いて実査した結果より、スマホの使いこなしについて、分析した結果をお伝えします。
1. 60代約4割、70代約6割、80代は約7割がスマホ使いこなせていないと実感
シニアにおいても急速にスマホが普及し、60代は91%、70代83%、80代でも62%が所有しています(レポート2024年3月18日参照)。それではシニアはその所有しているスマホをどれくらい使いこなせていると考えているか、調査した結果を図1に示します。60代では約4割、70代になると約6割、80代では約7割が使いこなせていない(あまり使いこなせていないを含む)と回答しています。60・70代では女性が高いですが、80代になると男性が高くなります。
図1. スマホを使いこなせているか
※スマホを所有している人が対象
2. スマホを使いこなせていないと実感しているシニアの34%は動画・音楽、健康・医療サービスも利用している
それでは、スマホを使いこなせていないと感じているシニアの特性を、性年代以外の項目で見ていきます。図2はサービスの利用別にスマホを使いこなせているかを合わせて見た結果です。
サービスについては①メッセージ(メールもしくはLINE)②情報検索③動画・音楽④健康(健康に関するアドバイスを受ける)・医療(お薬手帳:電子版)の利用率(スマホでの利用に限る)を基に、A全て利用していないBメッセージC情報検索D動画・音楽E健康・医療を利用に分けました。なお、各サービスを重複して利用している場合は、利用率が少ないサービスを基準として分けています(例:情報検索と動画・音楽及び健康医療を利用の場合、E健康・医療に振り分け)。
スマホを使いこなせていると実感しているシニアの方が、④や⑤のサービスまで利用していました。ただ、使いこなせていない人の中でも④や⑤のサービスまで利用しているシニアは34%もいました。各サービスの利用状況は図3をご覧ください。
図2. スマホの使いこなしとサービス利用
※スマホ所有者が対象
図3. シニアのICTサービス利用状況
※スマホ所有者が対象(n=831)
3. 使いこなせていないと答えたシニアの約4割は毎日スマホを30分以上使っている
最後にスマホの利用時間(1日平均)別に、スマホを使いこなせているかを合わせて見た結果を、図4で示します。
使いこなせていると答えたシニアは利用時間が長い傾向です。ただ、使いこなせていないと答えたシニアも約4割は毎日30分以上利用しています。
図4. スマホの使いこなしとサービス利用
※スマホ所有者が対象
今回の分析から「シニアがスマホを使いこなせているか」は、3つのグループに分けられそうです。1つ目は「スマホの利活用が活発で,使いこなせている」と思っているグループ、2つ目はその反対で「利活用が少なく、使いこなせていない」と思っているグループ、そして3つ目のグループは、「利活用はしているが、使いこなせていない」と思っているグループです。
シニアの方と話していて感じることは、スマホに対しかなり大きなイメージ(何でもできる)を持っている方が多いです。確かにスマホには多くの機能がありますが、若中年層も全て利用しているわけではありません。現在使いこなせない等、不満やもどかしさを感じているシニアの方は、スマホが何でもできる大きなものとは考えず、ご自身のやりたいことを中心にできるようになれば、良いのではないでしょうか。
また、シニアに関する調査結果は「モバイル社会研究所白書2023年版」でも紹介しています。当白書は、シニアに関する調査結果だけではなく、ICT利用状況全般の調査結果をまとめていますので、是非ご覧ください。
・ モバイル社会研究所白書2023年版(全体)
・モバイル社会研究所白書2023年版(シニア調査)
調査概要 ―「2024年シニア調査」―
調査方法 | 訪問留置調査 |
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調査対象 | 全国・60~84歳男女 |
有効回答数 | 1,130 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2024年1月 |
問い合わせ先
本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。
モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
< https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html>