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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【防災】
高齢者の災害情報の取得手段 最も多いのはテレビで9割―取得方法の違いで防災意識に差が見られる―
(2025年9月8日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • 高齢者における災害情報の取得手段最も多いのはテレビで9割(図1
  • 多様な手段で災害情報を得る高齢者は防災意識が高い(表1
  • 70代 男性はメディア、女性は公的・人伝がやや多い(表2

調査結果

2024年11月調査より、高齢者(60-79歳)の災害情報の取得手段についてまとめましたので、お伝えします。

1. 高齢者における災害情報の取得手段最も多いのはテレビで9割

在宅中に大雨や台風などで被害が予想される場合、高齢者はどのような手段で情報を収集するのでしょうか。収集する手段(複数回答)で最も多かったのが、テレビとなり9割でした。続いて、防災無線、エリアメール・緊急速報メール、webの閲覧、新聞と続き、ここまでが4割を超えています。

図1. 高齢者における災害情報(在宅・大雨や台風に関する情報)の取得手段(複数回答)

2. 多様な手段で災害情報を得る高齢者は防災意識が高い

図1の回答傾向を基に、統計的手法を用いて、グループ分けを行いました。5つのグループに分けました。それぞれのグループで主にどの手段で情報を得ているか(各グループの回答者の半数以上が該当する)を見たものが表1となります。例えば、「多様な手段」に属する人は「web閲覧」「テレビ」「防災無線」など、ICT・メディア・公的、人伝など様々な手段を用い、情報を得ています。それに対し「テレビ中心」は、その名の通り、主にテレビのみで災害情報を得ています。

また、情報を得る手段が多様なほど、防災リテラシー(防災に関する知識・行動・備え)が高い傾向が見られました。

詳細につきましては、老年社会科学会(2025年6月28日)にて発表した資料をご覧下さい。

表1. 高齢者における災害情報の取得手段の回答を基にしたグループ

※○はそのグループで属する人の半数以上が災害時に情報を得る方法と回答した手段
※防災リテラシー・・理解(ハザードマップをもとに、災害時にどこが危険な場所か言える・わたしの地域で過去にどのような災害が起こったか知っている等4問)、行動(災害時、避難するかしないかの判断が適切にできる、地震が起こったとき、命を守る行動をとっさにとれる等4問)、備え(災害時の備えに関わる8項目)の結果を基に算出した。

3. 70代 男性はメディア、女性は公的・人伝がやや多い

最後に、在宅中に大雨や台風など被害が予想される場合に情報を得る手段として、最も重視する方法を聞きました。その結果、図3の通り、約半数がテレビでした。60代では男女差はあまり見られませんでしたが、70代は男性がメディア、女性は公的・人伝がやや多い傾向でした。

図2. 高齢者における災害情報(在宅・大雨や台風に関する情報)で最も重視する手段

なお、防災に関する調査結果は「モバイル社会研究所白書2024年版」でも紹介しています。
当白書は、防災に関する調査結果だけではなく、ICT利用状況全般の調査結果をまとめていますので、是非ご覧ください。

モバイル社会研究所白書2024年版(防災調査)
・ モバイル社会研究所白書2024年版(全体)


調査概要―「2024年防災調査」―

調査方法 Web
調査対象 全国 60~79歳男女
有効回答数 3,375
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付。
調査時期 2024年11月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。

モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/

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