【防災】
災害への備えはお済ですか?
―「スマホ用バッテリー」と「数日分の水・食糧」を備えている人は年々増加傾向―
(2024年6月19日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
調査結果
災害への備えについてまとめましたので、お伝えします。
1. 約7割は災害に備えて準備をしている
災害に備えて、何をどの程度準備しているのか、調査した結果は図1の通りです。「懐中電灯」が最も多く、半数を超えました。6項目で調査しましたが、「何も準備していない」人は約3割でした。
図1. 災害への備え・準備実施率(%)
2. 「スマホ用バッテリー」と「数日分の水・食糧」を備えている人は年々増加している
2018年から経年で各備えの変化を見たのが図2です。伸びているのは「スマホ用バッテリー」と「数日分の水・食糧」でした。何も準備していない割合は年々減少傾向です。
図2. 災害への備え・準備実施率(経年推移)
※懐中電灯は2023年より実査 懐中電灯を除いて何も準備していない割合2023年35.6% 2024年34.8%
3. スマホ用モバイルバッテリーを備えている人は防災リテラシーが高い
備えている人の伸びが特に大きい「スマホ用モバイルバッテリー」について、持っている人の特性を分析してみました(ここからは2023年10月実施調査を利用)。図3は年代別に所有状況です。10代の所有が高く、70代の所有が低いです。ただ、20~60代は大きく変わりありません。
また、図4ではインターネット利用時間と「スマホ用モバイルバッテリー」の所有状況を合わせて見ましたが、1時間未満とインターネット利用時間が低い人以外は、所有率はあまり変わりません。
この2つのことから、スマホを多く利用している人が「スマホ用モバイルバッテリー」を備えているとは言い切れないです。
図3. スマホ用モバイルバッテリー所有率(年代別)
図4. スマホ用モバイルバッテリー所有率(インターネット利用時間別)
ではどういった人が「スマホ用モバイルバッテリー」を備えているか、次に防災リテラシー(以下、8問の回答結果を得点化①②発災時自分で何かできるか(身の回り・身の回り以外)③助け合いへの考え④助け合いへの意欲⑤他人から救助意向⑥他人への注意喚起⑦命を守る自信⑧防災教育・震災伝承への取組)の高低と合わせて見ました。その結果、防災リテラシーが高い人が備えていることがはっきりと分かりました(図5)。
このことから、災害時に情報収集が重要であり、その収集方法としてスマホが活用されていることが増え(参考:2022年12月2日レポート)、災害時の備えの一つとしてモバイルバッテリーが広がっていると思われます。
図5. スマホ用モバイルバッテリー所有率(防災リテラシーの高低別)
これから本格的な出水期に入ります。平時に改めて防災への備えを確認しておきたいものです。
このような調査結果を多く掲載した「データで見る防災ガイド」を公開しています。ご自身の災害への備えの状況と調査結果を比較しながら、ご活用ください。なお、書き込み式となっていますので、是非印刷し活用してください。
なお、防災に関する調査結果は「モバイル社会研究所白書2023年版」でも紹介しています。
当白書は、防災に関する調査結果だけではなく、ICT利用状況全般の調査結果をまとめていますので、是非ご覧ください。
・モバイル社会研究所白書2023年版(全体)
・モバイル社会研究所白書2023年版(防災調査)
調査概要
「2023年防災調査」― 図3~5
調査方法 | Web |
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調査対象 | 全国 15~79歳男女 |
有効回答数 | 8,991 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2023年11月 |
「2024年一般向けモバイル動向調査」― 図1,2
調査方法 | Web |
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調査対象 | 全国 15~79歳男女 |
有効回答数 | 6,440 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2024年1月 |
問い合わせ先
本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。
モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
< https://www.moba-ken.jp/whitepaper/>