【シニア】
スマホの利用で便利になった生活
シニア層は「情報」は多く「ペーパーレス」「購買/手続」は少ない
(2022年12月8日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
調査結果
2022年1月に訪問留置法(調査員が訪問し調査を承諾頂いた方に紙で質問票を配り後日回収)で実査した結果より、スマホを利用することにより生じた生活の変化に関して、分析した結果をお伝えします。
1. スマホにより「疑問を調べるようになった」は8割程度
シニアの8割がスマホを所有(4月11日レポート)したことで、生活にどのような変化が生じたか、調査した結果を図1に示します。スマホにより「疑問を調べるようになった」は8割程度、「カメラ機能をメモ代わり」「専用機器の持ち運びが減った」は6割程度と多くのシニアが生活の変化を実感しています。
図1. スマホによる生活の変化(n=569)
2. シニア世代は「ペーパーレス」「購買/手続」に関わる項目が低い傾向
この結果を他年代と比較したのは図2です。全体的に他の年代と比較して、変化を実感している割合が低いです。「疑問を調べるようになった」など「情報」に関わる事項はまだ高いですが、「購買/手続」や「ペーパーレス」に関わる事項は他年代と比較して、大きく少ないです。
図2. スマホによる生活の変化(年代別)n=569
3. シニアの中では男性が「購買/手続」に関わる項目を中心に高い傾向 個人差も大きい
最後に年代・男女別に見たのが表1となります。「購買/手続」に関する項目は、男性が60、70代関わらず、女性と比較して高めです。全体的に見て、男性の方が変化を感じている割合が高いのですが、図3の通り、男性は女性と比較して個人差が大きいのも特徴です。
表1. スマホによる生活の変化の割合(性年代別)n=1,050
図3. スマホによる生活の変化の数(性年代別)n=569
スマホを持ったことでより生活が便利になっていることが明らかになりました。しかしながら、年代間また、シニアの中でもその好影響を大きく受けている人と、そうでない人の差が浮彫となりました。
今後もこのような情報格差がどうなっていくか、調査、分析を続けていきます。
なお「スマホによる生活の変化」に関連した内容は11月12,13日に行われた第17回日本応用老年学会大会で報告しています。
調査概要 ―「2022年一般向けモバイル動向調査」―
調査方法 | 訪問留置調査 |
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調査対象 | 関東1都6県・60~79歳男女 |
有効回答数 | 709 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2022年1月 |
問い合わせ先
本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。
モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
< https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html>