【シニア】
半数超がアプリのダウンロード・削除ができる-シニアが使えるスマホ機能-
(2022年10月13日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
調査結果
2022年1月に訪問留置法(調査員が訪問し調査を承諾頂いた方に紙で質問票を配り後日回収)で実査した結果より、シニアがスマホでできる操作に関して、分析した結果をお伝えします。2015年からシニアに対する調査を毎年おこなっていますが、今年初めてこの項目を入れました。
1. 半数超がアプリのダウンロード・削除ができる
2022年4月11日のレポートで、60代で91%、70代は70%のシニアがスマホを所有しているとお伝えしました。ただ、コロナの予防接種の予約時の混乱、決済機能の活用、SNSの利用などをみると、スマホで利用するサービスが必ずしも多くのシニアで利用されている訳ではありません。そこで、スマホを所有しているシニアが、どれだけ操作ができるか今回初めて調査しました。
表1の通り、年代によって差異が見られます。情報検索は8割弱可能ですが、70代後半になると、半数強まで下がります。また、Wi-Fiの設定は60代で半数以上が可能です。
注目したいのが「アプリのダウンロードや削除」です。60代前半では7割を超えていますが、70代になると半数以下となります。スマホの利活用を十分するためには、アプリの利用が活性化することが必要であり、それができる土壌があるか、この結果が重要な指標となりますので、今度も注目していきます。
表1. シニアの実施可能なスマホ操作 年代別割合(スマホ所有者が対象)n=522、数値は%
2. 男性はID設定を伴う操作、女性は元々入っているアプリの操作のできる割合が高い
この結果を性別にみていきますと、元々インストールされているアプリは女性、IDやPWの設定が必要(Wi-Fiの接続など)な操作は男性が高い傾向となりました(表2)。
表2. シニアの実施可能なスマホ操作 男女別(スマホ所有者が対象)n=522、数値は%
3. パソコン所有者はID設定を伴う操作が特に高い傾向
性・年代以外でスマホ操作にはどのような差が見られるか、「パソコン所有」「職業」「スマホの所有期間」で分析した結果を記載します。まずパソコン所有(家族が所有している場合も含む)の有無でみた場合、「メール」「カメラ撮影」「電話帳」など基本的な操作に大きな差はみられませんでしたが、それ以外の操作で差が見られ、特にID設定を伴う「Wi-Fiに接続できる」では30ポイント以上の差が見られました(表3)。
表3. シニアの実施可能なスマホ操作 パソコン所有別(スマホ所有者が対象)n=522、数値は%
4. 正社員はスマホで操作できる割合が高い傾向
次に職業別に見ると「正社員」の場合、各種操作のできる割合が高い傾向です。表3とも関連しますが、特に70代後半は現役時もしくは現在の職業、パソコンを利用していたかと関連があることが垣間見えます。
表4. シニアの実施可能なスマホ操作 職業別(スマホ所有者が対象)n=522、数値は%
5. スマホ所有期間が長いと実施できる操作が多い傾向
最後にスマホ所有時期との関連をみた結果が、表5となります。スマホ所有期間が長いほど、操作できる項目が多い傾向です。この結果は単にスマホを長く持っていれば操作を覚えるだけでなく、2022年5月9日レポート(スマホ所有理由)でお伝えしたことと関連している可能性があります。7年以上前からスマホを所有しているシニアのスマホ所有理由は「使いたい機能・サービスがあった」といった能動的な理由が多かったです。それに対して、直近でスマホを所有した理由は「家族から進め」や「フィーチャーフォンが使えなくなった」といった受動的な理由が多いです。所有時から差が生じており、その結果が今回のスマホ操作の実行と関連していることが示唆されました。
表5. シニアの実施可能なスマホ操作 スマホ所有期間別(スマホ所有者が対象)n=522、数値は%
今後よりシニアがスマホを利活用するためには、現状のスマホ操作のできる状況を認識するとともに、特に直近でスマホを持った方へのサポートが必要ではないかと思われます。
調査概要 ―「2022年一般向けモバイル動向調査」―
調査方法 | 訪問留置調査 |
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調査対象 | 関東1都6県・60~79歳男女 |
有効回答数 | 709 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2022年1月 |
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モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
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