【ライフスタイル】
コロナ禍以降、公共施設やデパート・ショッピングセンターでのWi-Fi利用が増加
(2024年11月28日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
- 人が集まる場所への外出:コンビニエンスストアが8割超
- 外出先でのWi-Fi利用:公共施設、デパート・ショッピングセンターでの利用が増加
- 公共施設(役所・図書館・公民館等)でのWi-Fi利用率:男性が高い
- デパート・ショッピングセンターでのWi-Fi利用率:若年層とシニア層で男性が高い
調査結果
NTTドコモ モバイル社会研究所では、2020年にスマホ利用者のWi-Fi利用についての調査レポートを発出しました。今回、コロナ禍の前後を通じたスマートフォンによるWi-Fi利用の実態について調査しましたので、その結果をお伝えします。
1. 人が集まる場所への外出:コンビニエンスストアが8超
15~79歳のスマートフォンを所有する男女を対象に、直近1ヵ月の外出先とスマートフォンを使用する際、無線LAN(Wi-Fi)を利用しているかを調査しました。時期は2020年、2022年、2024年のそれぞれにおいて1月上旬~中旬にかけて行いました。2020年の調査時では国内での新型コロナウィルス感染が確認されておらず、2022年では感染者が急増(新型コロナ第6波)、2024年は5類感染症に移行後の調査となっています。
図1は直近1カ月の外出先の集計結果です。2022年の調査では2020年の結果と比較して全項目で値が減少しており、コロナ禍において外出が全体的に控えられていたことが伺えます。特に、駅構内や宿泊施設では約11ポイントと大きく減少しています。
なお、直近1カ月の外出先としてコンビニエンスストアを挙げている人が最も多く8割を超えています。また、デパート・ショッピングセンター、飲食店・カフェ・ファストフードにおいても7割を超えています。
図1. 調査回答日の直近1ヵ月以内の外出先
[調査対象:全国・15~79歳のスマートフォン所有者・n20=5518, n22=5779, n24=5841]
2. 外出先でのWi-Fi利用:公共施設、デパート・ショッピングセンターでの利用が増加
図2は外出先におけるスマートフォンでのWi-Fi利用率を示したものです。2022年の調査では2020年と比較して職場・学校でのWi-Fi利用率が大きく増加(約6ポイント)しましたが、他の場所の利用率に大きな変化はありませんでした。2022年においては大手コンビニのフリーWi-Fiからの撤退が相次ぎましたがコンビニでの利用率の増減は数ポイントであり、大きな変化は認められませんでした。携帯電話会社などの無料Wi-Fiサービスの普及により影響は少なかったと推測されます。
2024年の調査では全体的に利用率が増加しており、職場・学校の他に公共施設、デパート・ショッピングセンター、飲食店などでも利用率が約3ポイント以上増加しています。特に公共施設では約7ポイント※、デパート・ショッピングセンターは約5ポイントと大きく増加していました。(※ 棒グラフの数値はそれぞれ四捨五入されているが、'24年と'22年の差は6.6ポイント)
次に、変化が大きかった公共施設とデパート・ショッピングセンターについてユーザー属性を調べてみました。
図2. 直近1ヵ月の外出先でのWi-Fi利用率
[調査対象:全国・15~79歳のスマートフォン所有者でその場所に行った人]
3. 公共施設でのWi-Fi利用率:男性の利用率が高い
図3は公共施設(役所・図書館・公民館等)でのWi-Fi利用率を性・年代(4区分)毎に集計した結果です。
男性の方が女性よりも利用率が平均で6~7ポイント程度高く、男女とも特に若い世代(15~29歳)での利用率が高いことがわりかります。若年層(15~29歳)でWi-Fi利用率が特に高くなっていますが、利用する公共施設として図書館や体育館等の割合が他の世代よりも高いのかもしれません。
図3. 公共施設(役所・図書館・公民館等)でのWi-Fi利用率
[調査対象:全国・15~79歳のスマートフォン所有者で公共施設に行った人]
4. デパート・ショッピングセンターでのWi-Fi利用率:若年層とシニア層で男性が高い
図4はデパート・ショッピングセンターでのWi-Fi利用率を性・年代(4区分)毎に集計した結果です。
30~59歳では利用率に男女で差異は殆どありません。しかし、若年層(15~29歳)とシニア層(60~79歳)では男性の方が女性よりも利用率が高い傾向が認められます。なお、女性はコロナ禍の2022年においてWi-Fi利用率が全ての年代で低下しています。コロナ禍において女性はデパート・ショッピングセンターでの滞在時間を短くしてショッピングを早めに切り上げる傾向が強かったのかもしれません。ちなみに、男性では2022年においても30~44歳を除いてWi-Fi利用率が増加しており、コロナ禍の影響が女性よりも少なかったことが伺えます。
図4. デパート・ショッピングセンターでのWi-Fi利用率
[調査対象:全国・15~79歳のスマートフォン所有者でデパート・ショッピングセンターに行った人]
参考)自宅でのWi-Fi利用率:性別・年代に関わらず約9割が利用
参考までに、自宅でのWi-Fi利用率を性・年代(4区分)毎に集計した結果を図5に示します。
光回線やWi-Fiルーター、無料Wi-Fiサービスなどの普及に伴い、性別・年代に関わらず自宅では多くの方(約9割)がスマートフォンでWi-Fiを利用していることが分ります。自宅でのWi-Fi利用率は僅かながら今も増加傾向ですが、45歳以上の男性では頭打ちとなっています。
図5. 自宅でのWi-Fi利用率
[調査対象:全国・15~79歳のスマートフォン所有者]
なお、Wi-Fi利用に関する調査結果は「モバイル社会研究所白書2024年版」でも紹介しています。
当白書は、モバイルICT全般の利用状況とその変化についてまとめていますので、是非ご覧ください。
・モバイル社会研究所白書2024年版(全体)
・モバイル社会研究所白書2024年版(1章 携帯電話の所有・利用状況)
調査概要 ―「2020・2022・2024年一般向けモバイル動向調査」―
調査方法 | Web |
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調査対象 | 全国・15~79歳男女 |
有効回答数 | スマートフォン所有者: 5518 (2020年)、5779 (2022年)、5841 (2024年) |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付 |
調査時期 | 2020年1月, 2022年1月, 2024年1月 |
問い合わせ先
本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。
モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/