【防災】
災害用伝言ダイヤル 認知率62.4% 年代・地域間で大きな開きが
~相手の方はそのサービスを知っていますか? 平時に災害時の連絡方法の確認を~
(2021年9月29日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
- 災害用伝言ダイヤル 認知率62.4% 災害用伝言板 30.6%
- 災害時の安否確認サービスの認知率
高齢層が高く、男性は10,60~70代、女性は30~50代が高い傾向 - 災害用伝言ダイヤルの認知率 上位と下位の県の差は約3割
認知率 1位 静岡県 2位 高知県 3位 熊本県 4位 福島県 5位 北海道
調査結果
災害時は、電話が集中してつながりづらい、携帯電話の充電がなくなってしまう、故障・紛失してしまうといった状況が考えられます。各通信事業者では、災害時に、家族や知人との間での安否の確認や避難場所の連絡等をスムーズに行うため、固定電話・携帯電話・インターネットによって、「災害用伝言サービス」を提供しています(詳細は通信事業者の情報をご覧ください)。
- 災害用伝言ダイヤル(171):災害時に、固定電話、携帯電話等の電話番号宛に安否情報(伝言)を音声で録音(登録)し、全国からその音声を再生(確認)。
- 災害用伝言板:携帯電話のインターネット接続機能で、被災地の方が伝言を文字によって登録し、携帯電話をもとにして全国から伝言を確認。
- 災害用音声お届けサービス:専用アプリケーションをインストールしたスマートフォン等の対応端末から、音声メッセージを送信。
NTTドコモ モバイル社会研究所では、2021年1月に防災に関する意識等について調査を実施しており、以下は「災害用伝言サービス」の認知率についての結果になります。
1.災害用伝言ダイヤル 認知率 62.4% 災害用伝言板 認知率30.6%
災害時に利用するサービスの認知を調べた結果は図1の通りです。
図1. 災害時に利用する安否確認サービス認知率・利用率(n=8,249)
※スマホ・ケータイ所有者が対象
2.災害時の安否確認サービスの認知率 高齢層は高い傾向
年代の認知率をみると、高齢層が比較的に高い傾向にあります。災害用伝言板をみると、70代は4割強が認知しているのに対し、10代は2割以下の認知となっています。(図2)。
図2. 災害時の安否確認サービス 認知率 年代別(n=8,249)
※スマホ・ケータイ所有者が対象
3.災害時の安否確認サービスの認知 10・60~70代は男性、30~50代は女性が高い傾向
災害用伝言ダイヤルの認識率を男女別に見てみますと、全体では大きな差異は見られません。但し、年代別に分けてみると少し差が見られ、10・60~70代は男性が高く、30~50代は女性が高い傾向が見られました。同傾向は災害用伝言版でも見られます(図3)。
図3.災害用伝言ダイヤル(n=8,249)
※スマホ・ケータイ所有者が対象
4.災害用伝言ダイヤルの認知率 最も高い県と低い県の差は3割
上位は静岡県、高知県、熊本県
最後に都道府県別に災害用伝言ダイヤルの認知率をみると、最も高い県と、低い県の差は3割程ありました。(図4)
図4.災害用伝言ダイヤル認知率 都道府県別 (n=8,249)
※スマホ・ケータイ所有者が対象
今回の調査結果で災害時に利用するサービスは「年代」「地域」によって差異があることが明らかになりました。発災時にご家族・友人・知人の安否を確認することは最も重要な一つ。発災時に「何を使い安否を確認する」のかは、平時から確認することが大切です。さらに双方がそのサービスを知っているかも併せて確認して欲しいです。
■参考:
災害用伝言ダイヤル(NTT東日本・NTT西日本)
https://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171/
https://www.ntt-west.co.jp/dengon/
災害用伝言版(ドコモ)
https://www.nttdocomo.co.jp/info/disaster/disaster_board/index.html
災害用音声お届けサービス(ドコモ:2022年3月31日サービス終了)
https://www.nttdocomo.co.jp/info/disaster/disaster_voice/
調査概要 ―「2021年一般向けモバイル動向調査」―
調査方法 | Web |
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調査対象 | 全国 15~79歳男女 |
有効回答数 | 8,837 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2021年1月 |
問い合わせ先
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