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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【子ども】
小中学生の7割以上が「通学時に持ち物が重くて大変」と感じている(2025年9月25日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • 小中学生の7割以上が「通学時に持ち物が重くて大変」と感じている(図1
  • 児童・生徒の約半数以上は週1回以上貸与された情報機器を持ち帰っている(図2
  • 約半数の児童・生徒が学校に教科書を置いてくることはない(図5
  • 約3割が情報機器と教科書両方とも家に持ち帰る頻度が多い(図7

調査結果

2024年11月に実施した親と子に関する調査の中から、通学時の負担についてお伝えします。

1. 小中学生の7割以上が「通学時に持ち物が重くて大変」と感じている

小中学生の中には、教科書や学用品に加え、学校から貸与された情報機器(タブレットやノート型パソコン)も持って学校に登校する子もいます。さらに、週明けには上履きや、体操服も持参する場合もあります。

それでは、どれくらいの児童・生徒が、通学時に持っていく物が重くて大変と感じているか、調査しました。その結果、図1の通り全体の7割超(そう思う・まあそう思う)が大変と答えました。また、大変と答える割合は、女子の方がやや高い傾向でした。

図1. 【小中学生】通学時に持っていく物が重くて大変に思う

2. 児童・生徒の約半数以上は週1回以上貸与された情報機器を持ち帰っている

学校から貸与された情報機器(タブレットやノート型パソコン)をどれくらいの頻度で家に持ち帰っているかを調査した結果は図2の通りです。児童・生徒の約半数以上は週1回以上持ち帰っています。

また、図3の通り、持ち帰りの頻度が高いと、通学時に「持ち物が重くて大変」と感じる児童・生徒が多い傾向があります。

持ち帰った情報機器の家での用途は、主に宿題などに利用されていますが(2025年8月6日レポート参照)、図4の通り「週1回以上充電をするためだけに、持ち帰っている」子は4人に1人です。

図2.【小中学生】貸与された情報機器を家に持ち帰る頻度

※情報機器を貸与されている子が対象



図3.【小中学生】通学時に持っていく物が重くて大変に思う(情報機器の持ち帰り頻度別)

※情報機器を貸与されている子が対象



図4.【小中学生】充電のためだけに情報機器を家に持ち帰る頻度

※情報機器を貸与されていて家に持ち帰っている子が対象

3. 約半数の児童・生徒が学校に教科書を置いてくることはない

続いて、教科書に関する調査結果をご紹介します。国語・算数(数学)・外国語の教科書について、どのくらいの頻度で学校に置いているか(家には持ち帰らないか)を聞きました。その結果、図5の通り、約半数の児童・生徒が学校に置いてくることはないと回答しました。また、学年があがるにつれて学校に置いてくる割合が高いです。

また、図6の通り、教科書を学校に置いてくる頻度が高いと、通学時の負担は少ない傾向です。

図5. 【小中学生】国語・算数(数学)・外国語の教科書を学校に置いてくる頻度



図6. 【小中学生】通学時に持っていく物が重くて大変に思う(教科書を学校に置いてくる頻度別)

4. 約3割が情報機器と教科書両方とも家に持ち帰る頻度が多い

最後に情報機器と教科書の持ち帰り頻度をまとめます。情報機器は家に持ち帰る頻度が週1回以上、教科書は学校に置いておく頻度がたまに或いはない場合に持ち帰り頻度が多いとしました。図7の通り、全体の約3割が情報機器・教科書ともに持ち帰り頻度が高い傾向でした。その一方、両方とも持ち帰り頻度が少ない児童・生徒も約2割いました。学校によって、大きな差があります。

また、図8の通り、両方の持ち帰り頻度が多いと通学時の負担を感じている割合が高いことが分かりました。

図7. 【小中学生】情報機器及び教科書を家に持ち帰る頻度



図8. 【小中学生】通学時に持っていく物が重くて大変に思う(情報機器・教科書を家に持ち帰る頻度別)

家庭学習には情報機器や教科書が必要ですが、これらを頻繁に持ち帰ると、通学時の負担が増す傾向が明らかになりました。また、学校によってその頻度は多く異なる結果でした。必要以上に持ち帰らせていないか、今後も検討が必要です。

なお、子どもに関する調査結果は「モバイル社会白書2024年版」でも紹介しています。(今回のレポートに関連する調査結果も掲載)

当白書は、子どもに関する調査結果だけではなく、ICT利用状況全般の調査結果をまとめていますので、是非ご覧ください。

モバイル社会研究所白書2024年版(全体)
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/wp24.html
モバイル社会研究所白書2024年版(子ども調査)
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/wp24/chap7.html

 

調査概要 ―「2024年親と子の調査」―

調査方法 訪問留置調査
調査対象 全国・小学生及び中学生とその親
回答数 1,300(組)[小中学生1,300人とその親]
抽出・割付 層化二段抽出、性別・学年・地域・都市規模の人口分布に比例して割付
調査時期 2024年11月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/

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