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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【子ども】
3割超が貸出されたタブレット・パソコンを家で自由に使える―自由に使える場合、調べ学習にも効果が見られる―
(2022年12月15日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • 貸与されたタブレット・パソコン 小学生の3割、中学生の4割が家庭で自由に使える(図1
  • 貸与された機器が家庭で自由に使える場合は、調べ学習をする割合も高い(図2
  • 学校にスマホを持ち込むことは一律禁止が6割超(図3

調査結果

2021年11月に実施した親と子に関する調査の中から、ICT機器に関する家庭と学校とのルールについてお伝えします。

1. 貸与されたタブレット・パソコン 小学生の3割、中学生の4割が家庭で自由に使える

小中学生が学校から貸し出されているタブレット・パソコンが半数を超えましたが(5月11日レポート)、その利用を家で行う場合、どのような「ルール」が学校から通知されているか、調査しました。図1の通り、小学生で3割、中学生で4割が自由に利用できるとのことです。また、半数近くが「決められたアプリ(コンテンツ)のみの利用」が認められています。1割程度は家への持ち帰りは許可されていませんでした。

図1. 【小中学生】貸与されたタブレット・パソコンの家庭での利用ルール

学校からタブレットもしくはパソコンが貸与されている子が対象


2. 貸与された機器が家庭で自由に使える場合は、調べ学習をする割合も高い

次に利用ルールと合わせて、子が家庭でICT機器(学校で貸し出された機器以外も含む)を利用し「疑問に思ったことを調べたり動画をみる(以下、調べ学習)」割合を調べたところ、図2の通り、貸出機器に制限が少ないと、調べ学習をする割合が高い傾向が見られました。自由にサイトを閲覧するためには、情報リテラシー(安全に利用できる)が合わせて求められますが、自主的に学ぶ効果も表れているようです。

図2.【小中学生】調べ学習をする割合(学校から貸与された機器のルール別)n=325

学校からタブレットもしくはパソコンが貸与されている子が対象

3. 学校にスマホを持ち込むことは一律禁止が6割超

学校にスマホを持ち込む時のルールは図3の通りです。6割超が持込は禁止されています。また、小学生の3割程度、中学生の2割程度は許可があれば持ち込めます。大阪北部地震(2018年)の時に、通学時の安否確認のため、スマホを学校に持ち込むことが話題となりました。また2020年には文科省が条件付きで学校への持ち込みを認めることを教育委員会に通知していますが、現状では多くの学校は一律禁止の学校が多いようです。

図3. 【小中学生】学校へのスマホ持ち込みルール

今回は家庭と学校の間のICT機器のルールについて分析してみました。子の情報リテラシーも様々であり、ルールを決めるのも難しいと思われます。GIGAスクール構想が本格始動している状況で、子を取り巻く状況も大きく変化していますので、ルールについて定期的に考える必要性がありそうです。

調査概要 ―「2021年親と子の調査」―

調査方法 訪問留置調査
調査対象 関東1都6県・小学生及び中学生とその親
有効回答数 500
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期 2021年11月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『ケータイ社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/

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