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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【シニア】
旅行を趣味としているシニアの約2割はVR旅行を利用したい
―今後広がる可能性があるサービスへのシニアの利用意向―
(2025年10月16日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • VRを使った旅行サービスを利用したい 60代は2割(図1
  • 旅行を趣味にしているシニアの約2割がVR旅行を利用したい(図2
  • 生活に密着したサービスへの利用意向は高い傾向(図3

調査結果

2025年1月に訪問留置法(調査員が訪問し調査を承諾頂いた方に紙で質問票を配り後日回収)を用いて実査(60歳~84歳が対象)した結果より、VR(バーチャル・リアリティ)旅行の意向について分析した結果をお伝えします。

1. VRを使った旅行サービスを利用したい 60代は2割

現在は利用していないICTサービスでも、今後普及する可能性があるものについて、シニア世代はどのように考えているのでしょうか。今回はいくつかのサービスを例に挙げて、シニアの意識や関心を調査しました。

図1では、VR技術を活用した旅行サービスの利用意向の結果となります。具体的には、「特殊なメガネ(VRゴーグル)を使って、自宅にいながら旅行を疑似体験できるサービス」と説明し、利用意向を尋ねました。

その結果、「利用したい」と答えた人は、シニア全体の15%でした。性別による差はほとんど見られませんでしたが、年代が若いほど利用意向が高い傾向がありました。

図1. VR旅行の利用意向(性年代別)

2. 旅行を趣味にしているシニアの約2割がVR旅行を利用したい

次に、旅行を趣味としているかどうかでグループを分け、VR旅行サービスへの関心を調査しました。

その結果、旅行を趣味とするシニアの約20%が「VR旅行を利用したい」と回答しました。年齢を重ねるにつれて、身体的な理由などから実際の旅行が難しくなることもありますが、こうしたサービスを活用することで、旅行という趣味を続けられる可能性があります。

一方で、旅行を趣味としていない高齢者でも約10%が「VR旅行を利用したい」と答えています。これは、新しい技術の登場によって、これまで興味のなかった分野への関心が広がる可能性を示しています。

なおシニアの趣味の詳細については2025年9月16日のレポートをご覧ください。

図2. VR旅行の利用意向(旅行が趣味)

3. 生活に密着したサービスへの利用意向は高い傾向

最後に、VR旅行以外のICTサービスについて、シニア世代の利用意向を見ていきます。

図3に示したサービスは、いずれも現在の利用者が1%未満と非常に少ない状況です。しかし、生活に密着したサービスへの関心は高く、「外出中に自宅の家電のスイッチや鍵の開閉状況を確認できるサービス」については、約3人に1人が「利用したい」と回答しました。

また、医療関連のサービスとして「テレビ電話やインターネットを使って、自宅で医師の診療を受けられるサービス」については、「必要な状況になれば利用する」と答えた人が半数にのぼり、潜在的なニーズの高さがうかがえます。

今後も、こうした新しいサービスがシニア世代にどのように受け入れられていくのか、意識や利用意向を含めて継続的に調査していく予定です。

図3. 新たなサービスの利用意向

※趣味を持っている人の中で趣味を行う際、インターネットを活用している人が対象

シニアに関する調査結果は「モバイル社会白書 2024年版」でも紹介しています。当白書は、シニアに関す る調査結果だけではなく、ICT利用状況全般の調査結果をまとめていますので、是非ご覧ください。

モバイル社会研究所白書2024年版(シニア調査)
モバイル社会研究所白書2024年版(全体)

調査概要 ―「2025年シニア調査」―

調査方法 訪問留置調査
調査対象 全国・60~84歳男女
有効回答数 1,300
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期 2025年1月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html

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