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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【シニア】
コロナ禍でシニアの友人とのコミュニケーションに変化
~60代は携帯電話での通話、70代はLINEメッセージが増加~
(2021年8月5日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • 60代は「携帯電話でのメール」から「LINEメッセージ」へ、
    「固定電話の通話」から「携帯電話での通話」へ移行
  • 70代は「LINEメッセージ」が増加、「固定電話の通話」「直接会う」が減少

調査結果

NTTドコモ モバイル社会研究所では、2021年1月に実施した調査結果より、シニア(本調査では60代、70代を対象)とICT利活用に関する分析結果を報告します。

1. 60代 携帯メールからLINEへ、固定電話から携帯電話での通話へ移行

60代の「友人との連絡」との連絡方法について、あてはまるものに全て回答した結果は、図1の通り、固定電話での通話(13%)の減少傾向が加速しています。携帯電話での通話(59%)は近年減少傾向でしたが、2021年が増加に転じました。またメッセージのやり取りについてもケータイメール(32%)からLINEメッセージ(55%)への移行が進んでいます。

図1.60代友人との連絡手段(複数回答可)

さらに「友人との連絡手段で最も使っている手段(単一回答)でも、LINEメッセージが6ポイント伸ばし、その分「携帯電話でのメール」が6ポイント減少しています。スマートフォンの普及率が8割を超え、同世代のシニアの多くがスマートフォンを所有したことが背景にありそうです(図2)。

図2.60代友人との連絡手段(最も多く使う手段)

2. 70代 LINEメッセージが増加、固定電話、直接会うが減少

次に70代の「友人との連絡手段(あてはまるもの全て)」をみると、「LINEメッセージ」が大きく増加しています(図3)。特に女性での増加が顕著である一方、「固定電話での通話」が大きく減少しています(参考資料)。スマートフォンの保有率が6割に達したことも背景にありそうです。

60代と異なり、前年比「直接会う」で減少したのが特徴であり、特に男性は12ポイントも低下しました。コロナの影響がうかがえます。

図3. 70代友人との連絡手段(複数回答可)

70代も「友人との連絡手段で最も使っている手段(単一回答)」をみると、最も多いのが携帯電話での通話で27%でした。次いで、固定電話、LINE、直接会う、携帯メールと続き、いずれも1割後半の回答でした。音声でのコミュニケーション(直接会う・固定電話・携帯電話)が3人に2人と多いのが60代と違いです。

図4. 70代友人との連絡手段(最も多く使う手段)

コロナ禍の影響として、シニアの日々の活動(カルチャースクールや地域活動)が制限される中、スマートフォンの普及は加速しました。その結果、友人とのコミュニケーションについても、1年で変化が見られました。また、今年より選択肢に「ビデオ通話」を加えましたが、60代は3%、70代も1%とまだまだ少ない結果となりました。

引き続き、コミュニケーションの変化が、人とのつながりにどのような影響があったか、分析し公開していきます。

参考資料1. 60代友人との連絡手段 性年代別(複数回答可,2021年1月調査)

参考資料2. 70代友人との連絡手段 性年代別(複数回答可,2021年1月調査)

調査概要 ―「2021年一般向けモバイル動向調査」―

調査方法 訪問留置調査
調査対象者 関東1都6県・60~79歳男女
有効回答数 508
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期 2021年1月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『ケータイ社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html

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