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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【シニア】
コロナ禍でシニアの日々の活動は低下
~日々の活動「消極派」はスマートフォンの所有率が低い結果~
(2021年7月7日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • シニアの日々の活動「コロナ禍で低下」 仲間との交流が顕著
  • 地域活動、カルチャースクールへの参加、人との交流が少ない「消極派」が増加
  • 日々の活動「消極派」はスマートフォン所有が15ポイント低い

調査結果

NTTドコモ モバイル社会研究所では、2021年1月に実施した調査結果より、シニア(本調査では60代、70代を対象)の日々の活動に関する分析結果を報告します。

1.シニアの日々の活動「コロナ禍で低下」 仲間との交流が顕著

シニアの日々の活動を、「地域活動への参加」「カルチャー教室への参加」「人との交流」に分け、それぞれ2項目ずつ、計6項目を調査しました。全項目、前年と比べ、参加している割合が低下しました。特に低下が顕著だったのは「仲間との交流」でした(図1)。おこなっている人の割合は12.1ポイント下がり、おこなっていないが8.2ポイント増加しました。コロナ影響がここでも現れた形となりました。

図1.仲間との交流をおこなっているか

2. 日々の活動グループ 「消極派」の割合が増加

この結果の元に、統計的分析を用い、グループ分けを実施しました。その結果、5つのグループ(表1)に分けることができました。「積極派」は地域活動・カルチャースクールへの参加、人との交流が盛ん、「消極派」はその反対で全ての活動に対して、あまり積極的でないグループとなります。

表1.シニアの日々の活動の回答傾向によるグループ分け

また2020年1月に実施した結果も同じ手法で分析し、2021年1月結果と比較したものが図2です。1年で日々の活動「消極派」の割合が8ポイント増加しています。

図2.シニアの日々の活動グループ(前年比較)

3.日々の活動「消極派」はスマートフォン所有率が他のグループより低い結果

次に日々の活動別、スマートフォン・フィーチャーフォンの所有率をみると、「消極派」だけが他のグループより15ポイントほど低い結果でした (図3)。また、スマートフォン・フィーチャーフォンどちらも所持していない人も「消極派」が高く、13%でした。

図3.シニアの日々の活動グループ別 スマホ・フィーチャーフォン所有率

コロナ禍の影響として、シニアの日々の活動が制限されることで、フレイユ(介護前の状況)になってしまう等、影響が懸念されます。

 さらに今回の調査結果で、スマートフォンの所有状況にも差異が生じていることがあらためて分かりました。この差の影響として、コミュニケーション等の日々の生活から災害時の情報収集等、非常時の影響があるのではないかと推察されます。

引き続き、シニアの連絡手段の変化、人とのつながりの変化、さらにスマホに対してどのような態度をもっているのかを中心に分析していく予定です。

調査概要 ―「2021年一般向けモバイル動向調査」―

調査方法 訪問留置調査
調査対象者 関東1都6県・60~79歳男女
有効回答数 508
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期 2021年1月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『ケータイ社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html

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