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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【ライフスタイル】
ICT機器を用いた連絡頻度が高いほど自分を健康だと思う
(2024年8月22日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • 自分が健康だと思う割合:働き盛りの年代で低い
  • 自分を健康だと思う割合:健康のために時間を費やすことに積極的な人ほど高い
  • ICT機器を用いた連絡頻度が高いほど自分を健康だと思う
  • スマホをメリハリ利用している人:スマホを長時間利用していても健康と思う割合が高い

調査結果

NTTドコモ モバイル社会研究所では、2024年2月に健康意識とICT利活用の実態について調査しましたので、その結果をお伝えします。

1. 自分が健康だと思う割合:働き盛りの年代で低くなる

15~79歳の男女を対象に、日常生活における健康意識を調査しました。図1は、あなたは同世代の人と比べて、健康だと思いますか?という設問(「そう思う」、「ややそう思う」、「あまりそう思わない」、「そう思わない」)において、「そう思う」または「ややそう思う」と回答した割合を性年代毎に集計した結果です。

男女ともに若い世代とシニアにおいて自身が健康だと思う割合が高くなっており、働き盛りの年代付近において低くなる傾向が認められました。女性は30代、男性は40・50代において最も低くなっていました。

男女差に着目すると、10~30代では女性よりも男性の方が健康だと思う割合が高くなっており、40~70代では女性の方が高くなっていました。男女の平均はそれぞれ55%、58%であり、女性は男性よりも3ポイント高くなっていました。

図1. 健康だと思う割合(性年代別)
[調査対象:全国・15~79歳の男女・n=7159]

2. 自分を健康だと思う割合:健康のために時間を費やすことに積極的な人ほど高い

次に、健康に対する考え方と健康意識との関係を調査しました。図2は、健康のためなら、ある程度の時間を費やしても良いと思うか?という設問に対する回答結果(「そう思う」、「ややそう思う」、「あまりそう思わない」、「そう思わない」)毎に、自身が健康だと思う割合を集計した結果です。

自身が健康だと思う割合は、健康を重視する人(健康のために時間を費やしても良いと思う人)ほど高くなっており、重視する人「そう思う」と重視しない人「そう思わない」とを比較すると平均で37ポイントの差がありました。特に10~30代において46~52ポイントと差が大きくなっていました。

健康に自信が無い人や不安がある人の方が、自分が健康だと思う人よりも、健康のための時間的コストを厭わない方向に意識が働くとも考えられましたが、調査結果からは自分が健康だと思う人の方が健康のための時間的コストを費やすことに積極的(あるいは健康のための時間的コストを費やすことに積極的な人ほど自分を健康だと思う)という傾向があることがわかりました。

なお、健康のために時間を費やしても良いと思う(「そう思う」&「まぁそう思う」)割合は平均で66%(7159人のうち4728人)であり、自身が健康だと思う割合の場合よりも10ポイント程度高くなっていましたが、性年代の違いによる傾向は図1と似通った傾向(若い世代とシニア層において割合が高く、働き盛りの年代付近において低くなる傾向)でした(図面省略)。

病気等の健康への不安が比較的少ない若い世代においても健康に対する意識が高くなっていることから、若い世代は健康の意味について、容姿や美容等も含めて、より広く捉えている可能性があります。

図2. 健康だと思う割合(健康に対する考え方別)
[調査対象:全国・15~79歳の男女・n=7159]

3. ICT機器による連絡頻度が高いほど自分を健康だと思う

ICT機器による連絡頻度(メール、メッセージアプリ、SNS等、通話を除く)と健康意識との関係を調査しました。図3は、家族・友人・近隣の人などとのICT機器による連絡頻度(「ほぼ毎日」、「週に数回程度」、「月に数回程度」、「殆どしない」」)毎に、自身が健康だと思う割合を集計した結果です。

ICT機器による連絡頻度が高いほど自身が健康だと思う割合は高くなる傾向があることが確認できます。連絡頻度が「ほぼ毎日」の場合と「週に数回程度」の場合とでは、20・30代の場合を除き、健康意識に殆ど違いはありませんが、「ほぼ毎日」「週に数回程度」の場合と、殆どしない場合とで比較すると約19ポイントの差が生じていました。なお、全体的に若い世代ほど連絡頻度と健康意識との関係性が強く、40代以下では20ポイント強~30ポイント弱の差が確認できます。

図3. 健康だと思う割合(ICT機器による連絡頻度別)
[調査対象:全国・15~79歳の男女・n=7159]

4. スマホをメリハリ利用している人:スマホを長時間利用していても健康と思う割合が高い

スマホの利用時間・利用意識と健康意識との関係を調査しました。

先ず、図4はプライベートにおけるスマホの利用時間(「毎日4時間以上」、「毎日1~4時間未満」、「毎日1時間未満」)毎に、自身が健康だと思う割合を集計した結果です。

その結果、プライベート時間において「毎日1~4時間未満」の利用の場合に全ての年代で健康と思う割合が最も高くなっていました。「毎日1時間未満」の場合と比較した場合は平均4ポイント、「毎日4時間以上」の場合と比較した場合は平均7ポイント高くなっていました。

図4. 健康だと思う割合(スマホ利用時間別)
[調査対象:全国・15~79歳の男女・n=7159]

次に、図5はプライベートにおけるスマホの利用時間が「毎日4時間以上」の人を対象に、スマホ利用意識※1(「メリハリ利用:目的を持ち、メリハリをつけて利用している」、「どちらでもない」、「なんとなく利用:目的はなく、なんとなく利用している」)毎に、自身が健康だと思う割合を集計した結果です。

その結果、プライベート時間において「毎日4時間以上」のスマホ利用を行っている場合でも、「メリハリ利用」の人は健康と思う割合が56~75%と高くなっていました。一方、スマホ利用意識が「どちらでもない」、「なんとなく利用」と回答した人は健康と思う割合が低くなっており、メリハリ利用を意識していない人は健康意識が低くなっていることがわかりました。

図5の結果を図1の結果と比較すると、スマホ利用意識が「どちらでもない」、「なんとなく利用」の場合は全ての年代で健康と思う割合が年代平均よりも低くなりますが、「メリハリ利用」の場合はスマホを「毎日4時間以上」利用していても全ての年代で健康と思う割合が年代平均よりも高くなっています。

これらの結果より、スマホ利用と健康意識との関係においては、スマホの利用時間よりも、利用意識(メリハリをつけて利用しているか否か?)の方が健康意識に大きく影響している可能性があります。

図5. 健康だと思う割合(スマホ利用意識別)
[調査対象:全国・15~79歳の男女・スマホ利用毎日4時間以上・n=1940]

※1:メリハリをつけてスマホを利用する人は、健康に自信がある傾向

調査概要 ―「2024年 健康意識とICT利活用調査」―

調査方法 Web
調査対象 全国・15~79歳男女
有効回答数 7,159
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付。
調査時期 2024年2月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/

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