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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【ライフスタイル】
ペットと同居している人は地域活動への参加やご近所付き合いに積極的
(2022年8月26日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • 大家族ほどペットと同居している
  • 独居の場合、高い年齢層ほどペットと同居している
  • ペットと同居している60代以上はLINE利用が多い
  • ペットと同居している50代以下は防災への備えを行っている

調査結果

NTTドコモ モバイル社会研究所では、2022年1月にライフスタイルとペットとの関係について調査を実施しました。

1. 大家族ほどペットと同居している割合が高い

犬や猫などのペットの有無と家族構成との関係を調査したところ、大家族ほどペットと同居していると多く回答する傾向がありました。表1は回答者の家族構成とペット有無との関係とを示したものです。同居家族として、“父母・義父母”、“配偶者”、“子・子の配偶者”がいるかどうかに着目し、家族構成を8種類に分類し、それぞれについてペットと同居していると回答した割合を集計しています。これらの家族と同居していない①の場合(祖父母や兄弟などが同居している場合も含まれますが、殆どは独居です)、ペットと同居している割合は6.5%と低い値でした。一方、父母・義父母と同居している場合は18.9%以上と値が高くなっており、特に三世代同居で配偶者もいる⑧の場合では、33.2%と最も高くなっていました。

表1. ペットと同居している割合(家族構成別)
[調査対象:全国・15~79歳・n=7,050]

表2は、多くの回答者が属する家族構成①③④⑤において、回答者の年代を3種類に分けて集計したものです。独居がほとんどを占める①の場合、若い世代よりも高い年齢層の方がペットと同居していることが分りました。一方、父母・義父母と同居している⑤の場合、ペットと同居しているのは30代以下の若い世代または40・50代であり、60代以上では4%程度と低い値でした。なお、40代以上でペットと多く同居している家族構成は配偶者と同居している③・④でした。高齢の親との同居または独居の場合はペットを飼うことが難しいこと、ペットが子どものような存在となっている可能性があることが伺えます。

表2. ペットと同居している割合(家族構成・年代別)
[調査対象:全国・15~79歳・n=7,050のうち5,676を抜粋]

2. ペットと同居している人は地域活動への参加やご近所付き合いに積極的

次に、回答者のライフスタイルとペットの有無との関係を調査しました。モバイル社会研究所では先に、ペットと同居している人は、同居していない人よりもICTサービス(ゲーム、動画や音楽視聴など)の利用が多く、ICTサービスの利用により生活が変わったと実感していること(2021年4月22日発出)、ペットと同居している人は、男女を問わず幅広い年代でSNSの利用率が高い傾向にあること(2021年12月21日発出)を報告しております。表3は、地域活動[自治会・町内会・老人会、奉仕活動・ボランティア]や教室[カルチャースクール・スポーツクラブなど]への参加、居住地域への愛着、近隣住人や仲間・友達、家族などとの交流に着目した調査結果です。回答者の年代を3つに分けてそれぞれの項目でペット有無による回答結果の差異をポイント(パーセントの差異)で示しています。全般的な傾向としてペットと同居している人の方が、これらの活動や交流について積極的なことが分りました。50代以下の世代では、全ての項目において、ペットと同居している人の方が約4ポイント以上高くなっていました。また、“自治会・町内会・老人会の活動”、”ご近所付き合いを行っている”に関しては60代以上の人も含めて値が高くなってなり、特に40・50代においては共に約13ポイント高くなっていました。なお、60代以上の世代は他の世代と比較してペットと同居していることによる影響は小さく、教室への参加についてはペットと同居している人の方が数ポイント低いという結果でした。

表3. ライフスタイル[日々の活動・交流]とペットの有無との関係(年代別)
[調査対象:全国・15~79歳・n=7,050]

次に、コミュニケーション(家族・友人・近隣住民との日常会話)の方法、情報(お買い得情報や趣味に関する情報)の入手方法に着目した結果を表4に示します。コミュニケーションについては、全ての項目(方法)でペットと同居している人の方がよく行っており、特に30代以下の若い世代では、“通話(スマホ・ケータイ)” と “直接会って伝える” が約11ポイント高くなっていました。情報の入手についても特に30代以下の若い世代において、ペットと同居している人の方が活発であり、約8~11ポイント高くなっていました。全体的な傾向として60代以上の世代はペットと同居していることによるこれら影響は小さいですが、“メッセージ(LINE)” によるコミュニケーション、”SNS(LINE、Twitterなど)” からの情報の入手が、共に約6ポイント高いことがわかりました。

表4. ライフスタイル[コミュニケーションの方法・情報の入手方法]とペットの有無との関係(年代別)
[調査対象:全国・15~79歳・n=7,050]

ペットと同居している人のライフスタイルは飼っていない人よりも多くの点で活動的な傾向であり、特に50代以下で差が大きいことがわかりました。引き続き、ライフスタイルとペットとの関係を調査してまいります。

参考.ペットとの同居と災害への備え

近年、豪雨災害や巨大地震になどに対して一人一人が日常から備えることの重要性がよびかけられています。参考までに、災害への備えに着目した結果を表5に示します。50代以下の世代ではペットと同居している人の方が災害への備えについて、約2~10ポイント高くなっていましたが、60代以上ではペットの有無による違いはほとんどみられませんでした。

表5. 災害への備えとペットの有無との関係(年代別)
[調査対象:全国・15~79歳・n=7,050]

調査概要 ―「2022年 一般向けモバイル動向調査」―

調査方法 Web
調査対象 全国・15~79歳男女
有効回答数 7,050
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントにおいて日本の人口分布に比例して割付。
調査時期 2022年1月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『ケータイ社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/

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