【防災】
気象に関する用語の理解 シニア層ほど高い傾向
(2022年6月28日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
- 理解度 熱中症警戒アラート、特別警報8割、線状降水帯7割、キキクル(危険度分布)2割
- シニア層ほど理解度は上がる傾向 線状降水帯 70代の理解度は9割
- キキクル(危険度分布) ICT利用が多い人ほど理解度が高い
- 都道府県別にみると、西日本が理解度高い傾向
調査結果
NTTドコモ モバイル社会研究所では、2021年10月に防災に関する調査を実施しました。その中から、気象に関する用語の理解についてまとめましたで、お伝えします。
1. 「熱中症警戒アラート」「特別警報」8割、「線状降水帯」7割、「キキクル(危険度分布)」2割
気象に関わる幾つかの用語に関して、その理解度を聞きました。その結果は図1の通りです。「理解している・なんとなく分かる」を合わせると「熱中症警戒アラート」「特別警報」で8割、「線状降水帯」で7割、キキクル(危険度分布)が2割でした。
なお、都道府県別の理解度は参考資料を参照してください。
図1. 気象に関する用語の理解 (n=9,072)
2.シニア層ほど理解している人の割合は高い
上記の用語を年代別にみると、どの用語もシニア層ほど理解している割合が高い結果でした。その中から、2022年6月1日より予測が追加された「線状降水帯」について、年代別理解度を図2で記載しました。70代の「「理解している・なんとなく分かる」は全世代平均より18ポイント高く、87%でした。一方、10代は4割と低い結果です。
図2. 線状降水帯の理解度 年代別(n=9,072)
3. キキクル(危険度分布)はICT利活用が活発な人ほど理解度が高い
最後にパソコンやスマートフォンから多種な情報が得られる「キキクル(危険度分布)」について、分析した結果を記載します。キキクルもシニア層ほど理解している割合は高いですが、合わせてICTを利活用している(検索やSNSなど利用を得点化したもの)人ほど「理解している・なんとなく分かる」割合が多かったです。つまり、シニア層で普段のICT利用が多い人がより理解をしている割合が高い層となります。
図3. 普段のICT利活用とキキクル(危険度分布)の理解度(n=9,072)
このようにICTとの関係が見られたのは、パソコンやスマートフォンで居住地の切迫する危険を確認できることが関わっていると可能性があります。
防災・減災のために、各種用語を理解し、早めにかつ正確に情報を得ることは大変重要です。また、運用も精度が増したり、新たな機能が追加する場合もありますので、定期的チェックすることをお勧めします。
参考資料
図4. 気象に関する用語の理解 都道府県別(n=9,072)
熱中症警戒アラート(環境省)https://www.wbgt.env.go.jp/alert.php
特別警報(気象庁)https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/
線状降水帯(気象庁)https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/kishojoho_senjoukousuitai.html
キキクル(危険度分布)(気象庁)https://www.jma.go.jp/bosai/risk/
調査概要 ―「2021年防災・減災調査」―
調査方法 | Web |
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調査対象 | 全国 15~79歳男女 |
有効回答数 | 9,072 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2021年10月 |
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