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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【子ども】
小中学生の親が回答 生成AIを学校授業で活用することに賛成37%
(2024年4月11日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • 生成AIを学校授業で活用することに賛成37%(図1
  • 親の年齢が低いと「わからない」割合が多い(図2
  • 生成AIの利用率 中学生8.2% 親の利用率を上回る(図3

調査結果

2023年11月に実施した親と子に関する調査の中から、小中学生の親は学校の授業で生成AIを使うことに対し、どう考えているかをお伝えします。

1. 生成AIを学校授業で活用することに賛成37%

ChatGPTなど生成AIの活用が、学習分野でも検討されています。また、生成AIの活用にあたっては、多くのサービスが年齢制限もしくは保護者の同意を必要としています。そこで、小中学生の親に学校の授業で生成AIを活用することの賛否を調査してみました。その結果、図1の通り、賛成が37%、反対が21%に対し、分からないが42%に達しています。

図1. 【小中学生の親が回答】学校の授業に生成AIを利用することに対する賛否(n=588)


2. 親の年齢が低いと「わからない」割合が多い

学校の授業に生成AIを活用することへの賛成(賛成・やや賛成を合算)・反対(やや反対・反対を合算)・わからないと答えた親はそれぞれどのような特性があるのでしょうか。関連が大きい項目として「親の年齢」が分析の結果明らかになりました(図2)。分からないと回答した割合は、年齢が低くなると多くなります。また、賛成と反対の割合を比較すると、年齢が低い親の方が、賛成の割合が多くなります。親の年齢に代表される「親の属性」や「親のICTスキル」「親が考える子がICT機器を使うことへの期待と不安」との関連が多くみられました。その一方、「子どものICT利活用状況」や「学校でのICT機器を使った授業の頻度」「子ども属性」との関連はあまり見られませんでした。

詳細分析結果につきましては、教育メディア学会研究会(2024年3月17日)で報告しています。こちらの資料もご覧ください。

図2. 学校の授業に生成AIを利用することに対する賛否(親の年齢別)

3. 生成AIの利用率 中学生8.2% 親の利用率を上回る

最後に学校の授業を問わず、ChatGPTやBing Chatなど、生成AIの利用状況を図3に示します。まだ利用率は低いですが、中学生の利用率が8.2%で、親の利用率3.9%を上回っています。

学校の授業より先に家庭で利用する場合もありそうです。また、親が利用していない場合でも、子が利用していることもあります。冒頭お伝えしましたが、多くの生成AIについて、年齢制限や親の同意が必要です。生成AIの利用は便利であり、発展的な学習が期待される一方、誤った回答や仕組みを知らない等、課題も存在します。急速に拡大する可能性がありますので、引き続き親と子が生成AIについて、どのような利用・関心・態度であるか、調査を続けていきます。

図3. 【小中学生】生成AIの利用率

なお、子どもに関する調査結果は「モバイル社会研究所白書2023年版」でも紹介しています。

当白書は、子どもに関する調査結果だけではなく、ICT利用状況全般の調査結果をまとめていますので、是非ご覧ください。

モバイル社会研究所白書2023年版(全体
モバイル社会研究所白書2023年版(子ども調査)

 

調査概要 ―「2023年親と子の調査」―

調査方法 訪問留置調査
調査対象 関東1都6県・小学生及び中学生とその親
回答数 600
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期 2023年11月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/

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