【シニア】
ご自身のスマホセキュリティ対策、70~80代の約6割が十分でない
(2024年11月5日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
調査結果
2024年1月に訪問留置法(調査員が訪問し調査を承諾頂いた方に紙で質問票を配り後日回収)を用いて実査(60歳~84歳が対象)した結果より、スマホのセキュリティ対策について、分析した結果をお伝えします。
1. 80代前半の約4割がスマホのセキュリティ対策を何も行っていない
シニアの多くの人がスマホを所有しています(レポート2024年3月18日参照)。その所有しているスマホに対して、どのようなセキュリティ対策をおこなっているのでしょうか。調査をした結果、80代は約4割がセキュリティ対策を何もしていないと回答しました。
図1. スマホのセキュリティ対策を何も行っていない割合
※スマホ所有者が対象
2. 画面ロックを利用している人は多いが、年代による差が大きい
次に、実施しているスマホのセキュリティ対策について、調査をした結果を図2に示します。画面ロックの利用が比較的高いですが、年代によって大きな差が見られます。60代は3人に2人が実施していますが、80代になると3人に1人も実施していません。
図2. スマホのセキュリティ対策 実施内容
※スマホ所有者が対象
3. 70~80代の約6割が、スマホのセキュリティ対策は十分でないと実感
次にスマホを所有しているシニアに、今のセキュリティ対策は十分出来ているか、調査しました。その結果、70~80代の約6割が対策は十分でないと回答しました。
図3. 自身が行っているスマホのセキュリティ対策が十分でないと感じている割合
※スマホ所有者が対象
4. 対策が十分でないと思う理由「どこまですれば十分か分からない」が最も高い
セキュリティ対策が十分できていないと回答した人を対象に、何故そう思うか、調査しました。その結果、半数のシニアが「何をどこまですれば十分なのかよくわからない」と回答しました。それ以外にも、「不審なメールが届くことがある」「面倒な対策はしていない」「対策方法が分からない」が上位となりました。
図4. スマホのセキュリティ対策が十分ではない理由
※スマホ所有者が対象
5. 新たなセキュリティ対策が必要となった場合70~80代の約7割がスマホの継続利用に自信がない
最後に「新たにセキュリティ対策が必要となった場合」、現在のスマホ利用を継続できる自信があるか、調査したところ、70~80代の約7割が「全く自信がない」と答えました。
スマホのセキュリティ対策に対し、十分でいない認識を持っている人が高いことが分かりました。さらに、その要因としては具体的な実施していない、仕方が分からないことや、どこまでやっていいか分からないなど、多様でした。さらに、今後新たな対策が必要となった時に、現在のスマホ利用が継続できない可能性も示唆されました。
シニアの方に、スマホの利活用を促進する際には、セキュリティ対策も合わせて行うことが、重要ではないでしょうか。
図5. 新たなセキュリティ対策が必要となった場合に現在のスマホ利用が継続できる自信がある
※スマホ所有者が対象
シニアに関する調査結果は「モバイル社会研究所白書2023年版」でも紹介しています。当白書は、シニアに関する調査結果だけではなく、ICT利用状況全般の調査結果をまとめていますので、是非ご覧ください。
・ モバイル社会研究所白書2023年版(全体)
・モバイル社会研究所白書2023年版(シニア調査)
調査概要 ―「2024年シニア調査」―
調査方法 | 訪問留置調査 |
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調査対象 | 全国・60~84歳男女 |
有効回答数 | 1,130 |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2024年1月 |
問い合わせ先
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モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
< https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html>