【モバイル】
iPhoneユーザーの若年化が進行
(2022年11月30日)
調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~
ポイント
- iPhoneユーザーの年代別比率、10代・20代では7割、70代では3割
- iPhoneユーザーはスマートフォンを持ち始めた時期が早い傾向
- スマートフォン操作の習得方法、iPhoneは「人から教えてもらった」「インターネットで調べた」、Androidスマホは「取り扱い説明書/参考書で調べた」「手探りで習得した」
- iPhoneユーザーのスマートフォンの使いこなし、40代以上は総じてICTサービス利用が高いが、30代以下では逆にICTサービス利用が低い
調査結果
NTTドコモ モバイル社会研究所では、2022年1月にiPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーの特徴について調査を実施しました。
1. iPhoneユーザーの若者比率が更に高くなった
スマートフォンユーザーは2015年にフィーチャーフォンを上回り、2022年では携帯電話ユーザーの93.5%がスマートフォンとなっています(モバイル社会白書 2022年版 (第1章、[資料1-1a])。現在、主流となっているスマートフォンは、iOSを搭載したiPhoneとAndroid OSを搭載したAndroidスマホとの2種類であり、日本国内での比率は拮抗しています(モバイル社会白書 2022年版 (第1章、[資料1-1b]))。
図1は性別、年代別にiPhone-Androidスマホ比率を示したものです。経年比較のため、今回の2022年の調査結果の右側に2015年の調査結果を示しています。2015年調査と比較すると、全体的に若い世代のiPhone比率が高まり、高い世代でのiPhone比率が下がっています。全体でのiPhone-Androidスマホ比率はあまり変化していませんが、2022年では10代(15~19歳)と20代のiPhone比率が7割、70代では3割となっており、iPhoneの若者比率が非常に高くなっていることが確認できます。なお性別に着目すると、iPhoneユーザーは女性の比率が男性よりも5.5ポイント高いですが、2015年調査ではその差は13.7ポイントあり、男女差については縮まっています。
なお、図には示されていませんが男女比率の傾向は年代によって大きな差異は認められず、全ての年代で女性のiPhone比率は男性よりも少し高い(3~9ポイント)という結果でした。
図1. iPhone-Androidスマホ比率(性別、年代別)
[調査対象:全国、n=5,542] [参考)2015年 調査対象:全国、n=1,136]
2. iPhoneユーザーはスマートフォンを持ち初めた時期が早い傾向
図2は、初めてスマートフォンを持ってからの期間を、iPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーのそれぞれについて調べた結果です。iPhoneユーザーは、若者比率が高いにも関わらず、スマートフォンを持ってからの期間はAndroidスマホユーザーよりも長い結果でした。
iPhoneユーザーは、過半数が7年以上前からスマートフォンを持っており、7年未満の期間については、Androidスマホユーザーよりも割合が低くなっています。
図2. 初めてスマートフォンを持ってからの期間(iPhone、Androidスマホ)
[調査対象:全国、n=5,542]
図3は、スマートフォンを7年以上前から持っていると回答した割合を年代別に示したものです。全ての年代においてiPhoneユーザーの方が5~16ポイント高いです。現在のiPhoneユーザーは、Androidスマホユーザーと比較して、スマートフォンを持ち初めた時期が全体的に早いことが伺えます。
図3. 7年以上前からスマートフォンを持っている割合(年代別、iPhone、Androidスマホ)
[調査対象:全国、n=5,542]
3. スマートフォン操作の習得方法、iPhoneは「人から教えてもらった」「インターネットで調べた」、Androidスマホは「取り扱い説明書/参考書で調べた」「手探りで習得した」
次に、スマートフォン操作の習得方法の違いについて調べました。表1は、初めてスマートフォンを持った際の操作習得方法(最も活用した方法)を、iPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーのそれぞれについて集計し、その違いを調べたものです(数値が入っていない部分は回答率0)。最も活用される習得方法は年代によって傾向が異なります(例えば、“手探りで習得した”との回答率は若い年代で高く、 “子どもに教えてもらった“との回答率は高年齢層で高くなります)。
このため、全年代で比較すると、年齢構成が大きく異なるiPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーとの違いを比較することが困難ですが、年代毎に比較すると、その違いは明らかになります。表中のセルの色は、iPhoneユーザーの回答率の方がAndroidスマホユーザーよりも高かったセルを青で示し、回答率が低くなったセルは赤で示しています。iPhoneユーザーは知人・友人や子どもに教えてもらったり、インターネットで調べて操作を習得した割合がAndroidスマホユーザーよりも高いです。一方、Androidスマホユーザーは取扱い説明書/参考書を読んだり、手探りで習得する割合が高いです。
表1.スマートフォン操作の習得方法の違い(年代別、iPhone vs. Androidスマホ)
[調査対象:全国・15~79歳・n=7,050]
4. iPhoneユーザーのスマートフォンの使いこなし、40代以上では総じてICTサービス利用が高いが、30代以下では逆にICTサービス利用が低い
次に、SNSやネットショッピング等の様々なICTサービスの利用状況の違いについて調べました。表2は、11種類のサービスの各々についての利用状況を、iPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーのそれぞれについて集計し、その違いを調べたものです。表中、iPhoneユーザーの回答率の方がAndroidスマホユーザーよりも高かったセルを青で示し、回答率が低くなったセルは赤で示しています。
40代以上では全体的に青く、30代以下では全体的に赤くなっていることがわかります。40代以上のiPhoneユーザーはAndroidスマホユーザーよりも様々なICTサービスの利用が全体的に高く、特に70代のシニア層においてその傾向が強く、スマートフォンを使いこなしていることが伺えます。
一方、30代以下のiPhoneユーザーはAndroidスマホユーザーよりもICTサービスの利用が全体的に低くなっています。なお、10代のiPhoneユーザーはナビゲーションサービス、ゲームなどの利用が高く、30代のiPhoneユーザーはSNSの利用が高くなっていました。若者に多く支持されているiPhoneですが、30代以下のiPhoneユーザーは必ずしもICTサービスを多く利用していないことが浮き彫りになりました。
表2. 各種ICTサービスの利用状況の違い(年代別、iPhone vs. Androidスマホ)
[調査対象:全国・15~79歳・n=7,050]
5. iPhoneユーザーはAndroidスマホユーザーよりもスマートフォンへの関心・愛着が強い
最後に、スマートフォンへの関心・愛着の強さをiPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーとで比較しました。腕時計やアクセサリー等の製品はユーザーの関心・愛着の強さが違いとなって表れやすく、普段から身に着けて持ち歩くスマートフォンもまたユーザーの関心・愛着の強さがそれぞれ異なると考えられます。スマートフォンに対する関心・愛着の強さに関連する設問の回答結果を得点化(0~100点)し、iPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーのそれぞれについて集計、その違いを調べた結果が表3です。
前半の6項目はポジティブな意味合いの項目であり、得点が高いほどスマートフォンへの関心・愛着が高いことを意味しています。後半の3項目はネガティブな意味合いの項目であり、逆に得点が高いほどスマートフォンへの関心・愛着が低いことを意味しています。表3の結果より、iPhoneユーザーはAndroidスマホユーザーと比較した場合、毎月の費用が高いと感じているが、全ての年代でスマートフォンへの関心・愛着が高い傾向です。
表3. スマートフォンへの関心・愛着の強さの違い(年代別、iPhone vs. Androidスマホ)
[調査対象:全国・15~79歳・n=7,050]
調査概要 ―「2022年 一般向けモバイル動向調査」―
調査方法 | Web |
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調査対象 | 全国・15~79歳男女 |
有効回答数 | 7,050(集計対象のiPhone/Androidスマホのユーザーは5,542※) ※ シニア向けスマートフォンを含まず |
サンプリング | QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントにおいて日本の人口分布に比例して割付。 |
調査時期 | 2022年1月 |
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モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
< https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html>