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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【ライフスタイル】
テレワークが仕事の疲れを軽くする:非実施者の約6割、実施者の約8割
(2024年5月27日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • 若い世代はシニア世代よりもテレワークに肯定的
  • テレワーク実施者はシニア世代も含めて約8割が肯定的
  • 日常生活が充実していると感じている人の方がテレワークに肯定的
  • スマホ利用時間が長い人の方がテレワークに肯定的

調査結果

NTTドコモ モバイル社会研究所では、2024年2月に健康意識とICT利活用の実態について調査しましたので、その結果をお伝えします。

1. テレワークが仕事の疲れを軽くする:非実施者の約6割、実施者の約8割

仕事を行っている20~79歳の男女(学生・無職・専業主婦/主夫を除く)を対象に、テレワークが仕事の精神的な疲れにどう影響すると思うかを調査しました。

その結果、テレワーク未実施/テレワーク制度がない人の63%が「とても疲れが軽くなる/やや疲れが軽くなる」と回答した一方で、10%の人は「とても疲れが増す」と回答しました。

これに対して、テレワーク実施者は80%が 「とても疲れが軽くなる/やや疲れが軽くなる」 と回答し、「とても疲れが増す」と回答した人は3%でした。

テレワーク実施者は、テレワーク未実施/テレワーク制度がない人と比較して、テレワークが仕事の精神的な疲れを軽くするという肯定的な意見が多いことが分りました。シニア世代は若い世代と比較して肯定的な意見が少ないですが、テレワークを実施しているシニア男性(60-79歳)の73%、シニア女性(60-79歳)の77%がテレワークに肯定的であることが分りました。

なお、回答傾向が男女の違いによって大きく異なることはありませんでしたが、女性の方が男性よりも全体的にテレワークに肯定的な割合が少し高いことが確認できました。

図1. テレワークが仕事の疲れにどう影響すると思うか(テレワーク有無・性年代別)
[調査対象:全国・20~79歳の仕事を行っている人・n=4178]

出所:2024年健康意識とICT利活用調査

2. 日常生活が充実していると感じている人の方がテレワークに肯定的

次に、テレワーク実施者を対象に、日常生活の意識とテレワークに対する意見との関係を調査しました。図2は、同世代の人と比べて毎日を楽しく生活していると思うか?という設問に対する回答結果(「そう思う」、「ややそう思う」、「あまりそう思わない」、「そう思わない」)ごとにテレワークによって仕事の精神的な疲れにどう影響すると思っているのかを集計した結果です。

その結果、楽しく生活していると思う人の43%はテレワークによって仕事の精神的な疲れが「とても軽くなる」と回答しました。しかし、楽しく生活していると思わない人では「とても軽くなる」と回答した人は20%であり、14%が「とても疲れが増す」と回答していました。

テレワークに対する意見は、毎日を楽しく生活していると感じているかどうかによって影響を受けている可能性があることがわかりました。

図2.  テレワークが仕事の疲れにどう影響すると思うか
(生活意識別:同世代の人と比べて毎日を楽しく生活していると思うか)
[調査対象:全国・20~79歳のテレワーク実施者・n=773]

出所:2024年健康意識とICT利活用調査

図3は、睡眠によって休養が充分にとれていると思うか?という設問に対する回答結果(「十分にとれている」、「まぁまぁとれている」、「あまりとれていない」、「全くとれていない」)ごとにテレワークが仕事の精神的な疲れにどう影響すると思っているのかを集計した結果です。

その結果、睡眠によって休養が充分にとれていると回答した人の46%はテレワークによって仕事の精神的な疲れが「とても軽くなる」と回答しました。しかし、休養が全くとれていないと回答した人では「とても軽くなる」と回答した人は20%であり、15%が「とても疲れが増す」と回答していました。

テレワークに対する意見は、毎日を楽しく生活していると感じているか、睡眠によって休養が充分にとれているか、といった日常生活の充実感によって影響を受けている可能性があることが確認できました。

図3.  テレワークが仕事の疲れにどう影響すると思うか(睡眠意識別)
[調査対象:全国・20~79歳のテレワーク実施者・n=773]

出所:2024年健康意識とICT利活用調査

3. スマホ利用時間が長い人の方がテレワークに肯定的

同じくテレワーク実施者を対象に、スマホ利用時間とテレワークに対する意見との関係を調査しました。図4は、仕事/学校での利用を除く、スマホの利用時間(「毎日4時間以上」、「毎日1~4時間未満」、「毎日1時間未満」、「週に数回程度かそれ以下」、「端末未所有」)ごとにテレワークが仕事の精神的な疲れにどう影響すると思っているのかを集計した結果です。

その結果、スマホの利用時間が長い人ほどテレワークが仕事の疲れを軽くするという肯定的な意見が多くなる傾向があることが分りました。

図4. テレワークが仕事の疲れにどう影響すると思うか(スマホ利用時間別)
[調査対象:全国・20~79歳のテレワーク実施者・n=773]

出所:2024年健康意識とICT利活用調査



調査概要 ―「2024年 健康意識とICT利活用調査」―

調査方法 Web
調査対象 全国・15~79歳男女
有効回答数 7,159
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付。
調査時期 2024年2月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『ケータイ社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/

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