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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【サービス】
携帯電話の役割は、人間関係の強化から拡大へと変化
(2021年1月28日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • 携帯電話の役割は、人間関係の強化から拡大へと変化。
  • 携帯電話と人間関係との関連性は若い年代がより強く実感。

調査結果

1-1. 携帯電話の役割は、人間関係の強化から拡大へと変化

コミュニケーション手段として大きな役割を占める携帯電話ですが、携帯電話に対する意識は今と昔とでは変化しているのでしょうか。NTTドコモでは携帯電話が社会生活に与える影響・効果を検討するために、2003年と2010年にケータイ利用による生活への影響について調査を実施しており、2020年においても同様の設問にて調査を行いました。図1はスマートフォンやフィーチャーフォンなどの携帯電話を回線契約している15~59歳の男女について、携帯電話と人間関係との関連性について伺った結果です。2020年との比較のため、2003年、2010年の調査結果を並べて示しています。既存の人間関係の強化を意味する2項目“知人との関係強化《友人・知人との交流が密になった》”、“親しい人とのみ関係強化《親しい人との交流だけ密になった》”については緩やかな減少傾向となっています。“旧友との仲が復活《旧友との交流が復活した》”、“人の意外な面を発見《その人の意外な側面がわかった》”については2003⇒2010年では10pt以上伸びていましたが、2010⇒2020年では伸びが鈍化しています。2010⇒2020年の変化において特徴的な点は、新たな人間関係の拡大を意味する3項目 “新しい友だち《新しい友達ができた》”、“会ったことのない友だち《実際に会ったことのない友人ができた》”、“交友関係拡大《交際範囲が広がった》”が7~13pt伸びていることです。これはコミュニケーション手段としての携帯電話の役割が、知人や友人、家族などとの“関係強化”の側面から、新たな知人・友人を得る“関係拡大”の側面としての位置付けがより大きくなっていることが伺えます。この理由としては2010年頃からスマートフォンやSNSが幅広い年代に急速に普及したことが一因と思われます。

図1. 携帯電話と人間関係との関連性(調査年別)
[調査対象:携帯電話を所有する首都圏の15~59歳男女]


1-2. 携帯電話と人間関係との関連性は若い年代がより強く実感している。

図2は図1で示した携帯電話と人間関係との関連性について、年齢を15歳毎の3区分に分けて各々比較した結果です。新たな人間関係の拡大を意味する3項目 “新しい友だち”、“会ったことのない友だち”、“交友関係拡大”の回答は2010-2020年の変化において全ての年齢区分で増加していることが判ります。全般的な傾向として携帯電話と人間関係との関連性については若い年代がより強く実感しており、15-29歳では全項目とも40%を超えています。一方で、45-59歳の2010⇒2020年の変化に着目すれば、“知人との関係強化”、“旧友との仲が復活”についても10pt以上増加しており、この年齢層においては人間関係の拡大だけではなく、携帯電話が知人・友人との人間関係強化に与える役割についても大きくなっていることが伺えます。

図2. 携帯電話と人間関係との関連性(年齢・調査年別)
[調査対象:携帯電話を所有する首都圏の15~59歳男女]

調査概要 ―「携帯電話ユーザーのライフスタイルに関する調査」―

調査方法 2003・2010年: 訪問面接調査、 2020年: 訪問留置調査
調査エリア 2003・2010年: 東京から50km圏内、 2020年: 関東1都6県
分析対象者 15~59歳の携帯電話を所有する男女
標本抽出法 2003・2010年: 性別・年代、 2020年: 性別・年代・居住地(都市規模)
有効回答
(調査時期)
500(2003年3月)、 502(2010年9月)、 482(2020年1月)

※2003,2010,2020年の比較においては調査方法や調査エリアの差による一定の測定誤差が考えられます。

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『モバイル社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html

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