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モバイル社会研究所

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通信業界の直接の利害を離れ、自由独立の立場から、モバイルICTがもたらす光と影の両面を解明し、その成果を社会に還元することを目的とする、NTTドコモの社会科学系の研究所です。

【シニア】
シニアのセキュリティ対策の多寡とスマホ利用に相関
(2023年1月19日)

調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~

ポイント

  • 画面ロックの利用60代6割弱、70代3割弱(図1
  • シニア層は「画面ロック」「最新OSへのアップデータ」「他と異なるPWの利用」が低い(図2
  • 利用している機種によって対策傾向が異なる(図3

調査結果

2022年1月に訪問留置法(調査員が訪問し調査を承諾頂いた方に紙で質問票を配り後日回収)で実査した結果より、スマホのセキュリティ対策に関して、分析した結果をお伝えします。

1. 画面ロックの利用 60代で6割弱、70代で3割弱

シニアのスマホ所有率が8割まで上昇しました(4月11日レポート)。所有したスマホのセキュリティ対策の実施状況について、調査したところ図1の通りの結果となりました。画面ロックの利用は60代で6割弱、70代だと3割を下回ります。

図1. セキュリティ実施状況 ※スマホ所有者


2. シニア層は「画面ロックの利用」「最新のOSにアップデート」「異なるPW利用」が低い傾向

この結果を他年代と比較したのは図2です。全体的に他の年代と比較して、実施している割合が低い傾向です。特に若中年層と比較して低いのは「画面ロックを利用している」「最新のOSにアップデートする」「スマホ以外で利用しているパスワード・パターン等と異なるものを利用する」でした。

図2. セキュリティ実施状況(年代別) ※スマホ所有者

3. セキュリティ対策状況 利用している機種で差異が見られる

次に利用している機器の種類別にセキュリティ対策の傾向を見てみます。シニア向けのスマホ(らくらくスマートフォンなど)を利用しているシニアは、全体的に対策が低い傾向です。これは年齢層が70代に偏っている等の理由が考えられます。また、iPhone利用者は「画面ロックを利用している」人が4人に3人と高いです。このように使っている機種でも差が生じています。

図3. セキュリティ実施状況(機種別) ※スマホ所有者


4. セキュリティ対策が実施できているシニアはスマホの利活用も多い

最後にセキュリティ対策とICTサービスの利用状況を合わせて分析したのが図4となります。ICTサービス利用は12のサービス(具体的なサービスはモバイル社会白書内で紹介)の利用有無の結果を基に3つのグループに分けました。その結果、セキュリティ対策を多く実施しているシニアはICT利用サービスも多い傾向が見られました。

図4. セキュリティ実施状況(スマホ利用別)

今回はセキュリティ対策の実施状況について報告しましたが、そのセキュリティ対策がご自身の認識で十分か、また何故実施できていないか分析した結果は次号でお伝えします。

調査概要 ―「2022年一般向けモバイル動向調査」―

調査方法 訪問留置調査
調査対象 関東1都6県・60~79歳男女
有効回答数 709
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期 2022年1月

問い合わせ先

本レポートのお問い合わせについては、「お問い合わせページ」でご確認ください。


モバイル社会研究所では、「スマホ・ケータイ」の所有状況を経年で独自に調査した結果を『ケータイ社会白書』として下記のURLで公開しています。ぜひご活用下さい。
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html

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