第8章 シニアの生活実態とICT利用
※本章では、調査対象を60代、70代としている。
モバイル社会白書Web版
第1節 ICT端末所有概況
端末所有状況、スマートフォン所有のきっかけ、相談相手、調べ方
◆ポイント◆
[資料8-1] ICT端末所有状況[年代別](複数回数)
- 9割以上の60~70代がいずれかのICT端末を所有。
- スマートフォン所有率は、60代が約9割、70代が7割。
[資料8-2] 所有しているICT端末の組み合わせ[性年代別](単一回答)
- 男性は「スマートフォンとパソコン」の組み合わせが最も多い。
- 70代女性は「スマートフォン」のみの層が最も多い。
[資料8-3] スマホ・ケータイ所有率の年次推移[年代別](複数回答)
- スマートフォン所有率は60代で約9割、70代で7割と拡大。
[資料8-4] ICT端末所有状況[就業状況別]
- スマホ所有は就業者が9割程度と高い。
- パソコン所有は正規社員のみ6割を超えた。
[資料8-5] スマートフォンを所有したきっかけ[性別](複数回答)
- 所有きっかけは、女性は「家族のすすめ」か最も高く、次いで「周囲にスマホを持っている人が増えた」。男性は、「周囲にスマホを持っている人が増えた」が 最も高く、次いで「使いたい機能・アプリがあった」「家族のすすめ」が同程度で高い。
- 「フィーチャーフォンが使えなくなると聞いた」は、男女ともに約2割。
[資料8-6] スマートフォンを所有したきっかけ[スマホ所有歴別](複数回答)
- 「スマホ所有歴2年未満」のグループでは、「家族のすすめ」に次いで、「フィーチャーフォンが使えなくなると聞いた」が高い傾向。
- 「スマホ所有歴2年~7年未満」のグループでは、「家族のすすめ」と「周囲にスマホを持っている人が増えた」が高い傾向。
- 「スマホ所有歴7年以上」のグループでは、他のグループと比べ「使いたい機能・アプリがあった」が高い傾向。
[資料8-7] スマートフォンを使いこなすための相談相手[性別](複数回答)
- 男女ともに、「購入店で教えてもらった」が最も高い。
- 女性は、「同居・別居の子どもに教えてもらった」、男性は「取扱説明書/参考書を読んだ」が次いで高い。
[資料8-8] スマートフォンを使いこなすための相談相手[スマホ所有歴別](複数回答)
- 全グループで、「購入店で教えてもらった」が最も多いが、「スマホ所有歴2年未満」のグループは、「同居している子どもに教えてもらった」が同率で高い。
- 「スマホ所有歴2年~7年未満」のグループでは、「同居・別居の子どもに教えてもらった」が次いで高い傾向。
- 「スマホ所有歴7年以上」のグループでは、「同居の子どもに教えてもらった」と「携帯会社のコールセンターに聞いた」が次いで高く、また「インターネット で調べた」が、他のグループに比べて高い傾向。
第2節 コミュニケーションとICTサービス利用
連絡手段、ICTサービス利用率
◆ポイント◆
[資料8-9] 最も多く使う連絡手段[連絡相手別・年代別](単一回答)
- 60代が別居家族・親族、友人へ連絡する際には「LINEでのメッセージ」が最も多く使われている。
- 60代は「固定電話での通話」は少ないが、70代は「固定電話での通話」も比較的多く使われている。
- 60代、70代ともに、「携帯電話での通話」は「固定電話での通話」より比較的多く使われている。
[資料8-10] 別居家族との連絡手段の年次推移[60代](複数回答)
- 「LINEでのメッセージ」が「携帯電話での通話」を上回り最も多い連絡手段に。
- 「ビデオ通話」での連絡手段が増加傾向。
[資料8-11] 別居家族との連絡手段の年次推移[70代](複数回答)
- 60代同様、70代においても「LINEでのメッセージ」の割合が伸び、「固定電話での通話」と同率に。
- 近年横ばいとなっていた「携帯電話での通話」が約10ポイント上昇し、最も多い連絡手段に。
[資料8-12] ICTサービスの利用率(複数回答)
- 「情報検索」「電子メール」「乗換案内・ナビゲーション」の利用率が60代では約8割と最も高い。
- 70代では、「情報検索」「電子メール」が約6割と最も高い。
- 60代、70代ともに「災害情報」の利用率は上記に次いで高く、60代は約7割、70代は約5割が利用。
[資料8-13] SNSの利用率(複数回答)
- 「LINE」は60代では約7割、70代では約5割が「週に1回以上利用」。
- 「LINE」以外のSNSは、「週に1回未満・全く使わない」が60代では9割近く、70代では9割以上で、シニアの利用率は高くない実態がうかがえる。
第3節 シニアの生活の実態とICT利用
日々の活動実施率、利用する店舗、インターネットショッピング利用、スマホへの態度・距離感、就業
◆ポイント◆
[資料8-14] 日々の活動実施率の年次推移(単一回答)
- コロナ禍の影響もあり、2年連続低下傾向。
[資料8-15] 日々の活動の回答傾向によるグループ分け(単一回答)
- 日々の活動の回答をもとに、シニアをグループ分けすると、すべての活動に積極的な「積極派」、地域活動と人との交流と教室活動が盛んな「地域で活躍」、人 との交流と教室活動が盛んな「教室でいきいき」、人との交流が盛んな「仲間家族中心」、すべての活動に消極的な「消極派」に分けることができた。
[資料8-16] 日々の活動グループの特性(単一回答)
- 「積極派」は女性の割合が高く、経済的ゆとりがあり、有職率はやや低い。
- 「教室でいきいき」は女性の割合が高く、経済的ゆとりが高い、有職率は低い。
- 「地域で活躍」は有職者がやや高い。
- 「仲間家族中心」は60代男性がやや多く、経済的ゆとりがあり、有職率が高い。
- 「消極派」は男性の割合がやや多く、経済的ゆとりが低い。
[資料8-17] 日々の活動グループ別スマホ・ケータイ所有
- スマートフォン所有率は日々の活動が「積極派」が最も高く9割を超える。一方、「消極派」は7割と、他のグループと比べ低い。
- 「教室でいきいき」「地域で活躍」「消極派」はフィーチャーフォンの所有率が2割程度ある。
[資料8-18] 利用する店舗と頻度[利用形態別]
- 週1回以上の日常の買い物は、「スーパー・商店・コンビニ」などの実店舗の利用が、9割を超えている。
- 「インターネットショッピング」の割合は、約3割。
[資料8-19] 利用する店舗と頻度[性年代別]
- 「インターネットショッピング」は60代男性が比較的多く利用(46%)。
- 「宅配(生協、農協など)」は60代女性・70代女性が比較的多く、3割半ば。
[資料8-20] インターネットショッピング利用と経済的・時間的ゆとりの関係(単一回答)
- 経済的ゆとりがあり、時間的ゆとりがない層がインターネットショッピングをより利用している。
[資料8-21] スマホ・ケータイを利用しての人とのつながりの変化[性別](単一回答)
- 女性の方が人とのつながりの変化をより強く実感している。
- 人との交流が増えた項目が高く、女性は5割程度、男性でも3割を超えている。
[資料8-22] スマホを所有している人のスマホへの態度・距離感(単一回答)
- 9割を超えるシニアが「持っていると便利」と感じている。
- 7割程度のシニアが「操作が難しい」と感じている。
[資料8-23] スマホを所有していない人のスマホへの態度・距離感(単一回答)
- スマホを持っていないシニアの5割超が「便利そう」と感じている。
[資料8-24] 有職率[性年代別](単一回答)
- 男性は70代になっても4割を超える人が就業している。
- 女性は60代前半は7割程度就業しているが、60代後半となると大きく下がり4割を下回る。
[資料8-25] 今後への仕事の意欲とICT所有(単一回答)
- 意欲がある人は「スマホ」「タブレット」「パソコン」の所有率がやや高い。