第4章 子どものスマホ・ケータイ利用
モバイル社会白書Web版
1節 子どものスマホ・ケータイ利用の概況
◆ポイント◆
- 子どものスマートフォン利用は中学生になると7割~8割に拡大(資料4-1)。
- 中学生になると4割~6割がスマホ・ケータイで毎日1時間以上インターネットを利用(資料4-3)。
- 高学年になるほどインターネット利用終了時刻は遅くなり、中学生の4割以上は午後10時以降となる(資料4-4)。
- 中学生になると、平均就寝時刻の30分前頃までインターネットを利用(資料4-5)。
資料4-1 利用しているスマホ・ケータイの種類(SA・学年別)
- スマートフォン利用率は、小学生で3割~4割、中学生では7割~8割に拡大。
- 中学校入学を機にスマートフォン利用率が拡大。
資料4-2 子どもがスマホ・ケータイを使い始めた理由(MA・使い始め年齢別)
- 小中学生の約半数の親が「緊急時に子どもと連絡がとれるように」スマホ・ケータイを持たせている。
- 12歳以上の子どもがスマートフォンを使い始めた理由は中学校への「進学」や「進級」が4割超、「子どもの友だちが持ち始めた」が3割超。
資料4-3 スマホ・ケータイでインターネットを利用する時間(SA・学年別)
- 高学年になるほど、インターネット利用は長くなる傾向。
- 中学生になると4割~6割がスマホ・ケータイで毎日1時間以上インターネットを利用。
資料4-4 インターネットの利用終了時刻(SA・学年別)
- 中学生の4割以上は、午後10時以降までインターネットを利用。
- 中学生になると一気に遅くなる。中学校入学を機にスマートフォンを持ち始めることが影響している可能性あり。
資料4-5 インターネットの利用終了時刻の平均(SA・学年別)
- 高学年になるほどインターネット利用終了時刻は遅くなり、中学生になると平均時刻は午後10時以降となる。
- 中学生になると、平均就寝時刻の30分前頃までインターネットを利用。
資料4-6 LINEの利用時間(SA・学年別)
- 毎日1時間以上LINEを利用している子どもは小学6年生から中学2年生にかけて拡大。
資料4-7 LINEに関する意識(MA・学校種類別)
- 「LINEをつかっている友達とは連絡がとりやすい」と答えた中学生の割合は9割。
- 「友だちからのメッセージをよんだら、はやく返事をかえさないといけないとおもう」「友達からの通知がとどいていないか気になる」は中学生で約1割。
資料4-8 タブレットやパソコンの利用率(MA・学年別)
- タブレット利用率は、いずれの学年もおおよそ3割~4割であり学年による変動は少ない。
- パソコン利用率は、小学4年生頃から拡大。
2節 スマホ・ケータイ料金
◆ポイント◆
- 通信料金は、高学年になるほど増額、拡大傾向はスマートフォン利用率とおおむね一致(資料4-10)。
- 保護者にとって、子どものスマホ・ケータイの月額利用料金に対する印象が変わるのは、小学生が月額3,000円、中学生は月額5,000円(資料4-11)。
資料4-9 スマホ・ケータイ端末購入価格(SA・学年別)
- 年齢が高くなるとともに端末購入価格も増額。
- スマートフォン利用率と「スマホ・ケータイ端末購入価格の平均額」の年齢による変動は概ね一致。
◆平均
◆比率
資料4-10 スマホ・ケータイの月額利用料金(SA・学年別)
- 高学年になるほど利用料金も増額。
- スマートフォン利用率と「スマホ・ケータイ月額利用料金の平均額」の年齢による変動は概ね一致。
◆平均
◆比率
資料4-11 スマホ・ケータイの利用料金についての感想(SA・月額利用料金別)
- 小学生は月額3,000円を超えると「高いと思う」保護者が過半数に。
- 中学生では月額5,000円を超えると「高いと思う」保護者が約7割に。
3節 スマホ・ケータイの学校内外での利用
◆ポイント◆
- 中学生の約7割が学外でネット動画を見ており、約5割が宿題をネットで調べている(資料4-14)。
- 8割以上の小中学生はスマホ・ケータイの学校持ち込みに制限がある一方で、スマホ・ケータイの学校持ち込みに制限の必要性を感じている保護者は4割(資料4-16,資料4-17)。
資料4-12 スマートフォンやタブレットを使うことの生活変化(SA・学年別)
- 高学年になるほどスマートフォンやタブレットを使うことによる生活の変化を感じる傾向。
- 8割以上の中学生が「疑問をすぐ調べるようになった」、「家族のやりとりが増えた」と回答。
資料4-13 子どものICTスキル(MA・学年別)
- 中学生の過半数が、Wi-Fi設定、SNS・動画の活用、スマートフォンやタブレットを他の人が使えないように設定ができると回答。
資料4-14 子どものスマホ・ケータイやタブレットやパソコンの使い方(MA・学年別)
- 主に学外でスマホ・ケータイやタブレットやパソコンを利用。
- 中学生の約7割が学外でネット動画を見ており、約5割が宿題をネットで調べている。
資料4-15 学校でのパソコンやタブレットの使用状況(MA・学年別)
- 「パソコン室に生徒が使えるパソコンがある」が7割以上。
- 「学校の授業でタブレットを使う」が小学5年生、中学1~2年生で15%に達している。
資料4-16 学校へのスマホ・ケータイの持ち込み状況(SA・学年別)
- 8割以上の小中学生はスマホ・ケータイの学校への持ち込みについて、何らかの制限がある。
資料4-17 校内持ち込み禁止の必要性を感じる保護者(MA・スマートフォン利用有無と学年別)
- 学年によって変動があるが、概ね4割の保護者がスマホ・ケータイの学校への持ち込みについて、制限の必要性を感じている。
- スマートフォン未利用者の保護者の方が、制限の必要性を感じている割合が高い傾向。
4節 子のICT利用についての保護者の意識と家庭内ルール
◆ポイント◆
- 親子間の通話頻度は小学4年生に拡大。小学6年生以上の約半数の子どもが週に1回以上親子間でメッセージをやりとり(資料4-18,資料4-19)。
- 子どものICT利用について「情報機器の使いこなし」や「知識の幅の広がり」を期待する保護者が約7割。その一方ネットでのコミュニケーションを心配する親が6~8割(資料4-20,資料4-21)。
- スマホ・ケータイ利用の親子間ルールを設定している家庭は、いずれの学年でも6割~7割に達している(資料4-22)。
資料4-18 親子間の通話頻度(SA・学年別)
- 親子間の通話頻度は小学4年生に拡大。児童クラブの利用は小学1年~3年が82%を占め1、小学4年生以降、児童クラブから塾などに切り替え、通い始める子どもが多く、環境の変化により、親子間で連絡を取り合う機会が増えることが想定される。
資料4-19 親子間のメッセージの利用頻度(SA・学年別)
- ほぼ毎日親子間でメッセージのやりとりをする子どもは、小学6年生で拡大。
- 小学6年生以上の約半数の子どもが週2,3回以上親子間メッセージを実施。
資料4-20 子どものICT機器利用で期待する効果(MA・学年別)
- 「情報機器を使いこなせる」や「知識の幅が広がる」を期待する保護者が約7割に。
資料4-21 子どものスマホ・ケータイ利用で心配に思うこと(MA・学年別)
- 「投稿内容で友だちとトラブル」「お子様自身の個人情報の公開」「不適切な出会い系サイト等の閲覧」「交友関係を把握できない」などのネットでのコミュニケーションを心配する親が6割~8割。
- いずれの項目も高学年になるほど心配する保護者の割合は減少。
資料4-22 スマホ・ケータイ利用の親子間ルール設定率(SA・学年別)
- 「子どもとの間でルールを決めている」は、いずれの学年でも6割~7割に達している。
資料4-23 スマホ・ケータイ利用の親子間ルールを守っているか(SA・学年別)
- 小学生の6割~8割はスマホ・ケータイ利用の親子間ルールを守っていると回答。
- 中学生になると「守れなかったことがある」が4割ほどに拡大。
資料4-24 スマホ・ケータイ利用の親子間ルールの内容(MA・学年別)
- スマホ・ケータイの「利用する時間帯、利用時間」の制限が小中学生ともに6割超え。
- 中学生になると、「SNSのサイトの訪問」「音楽や動画のダウンロード」も3割超え。
資料4-25 フィルタリングや利用制限などの利用率(SA・学年別)
- 中学生を持つ親の3割ほどがフィルタリングや利用制限などを利用。しかし、小学生では1~2割に留まる。キッズケータイ利用者などがフィルタリングを利用していることを認識していない可能性がある。
- 2018年2月より、18歳未満の「フィルタリングサービス」の店頭での設定が義務化され、今後の利用率は拡大が予想される。
資料4-26 フィルタリングや利用制限などの設定内容(MA・学校種類別)
- 中学生では「閲覧内容のフィルタリング」が9割に達しており、次いで「コンテンツの購入、ダウンロード制限」が5割ほどとなっていた。