モバイル・メディアの文化とリテラシーをめぐるソシオ・メディア研究:社会・文化論

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5年ほど前、海外の方が日本に来た際に、空港で不思議な現象を目にしたそうです。電話をかけるわけでもないのに、携帯電話の画面をのぞき込んでいる人が大勢居る......。
その時、人々はiモードの画面をのぞき込んでいたのです。

この方は、海外でもiモード普及のニュースは聞いていたと言います。でも、それがあの不思議な現象と結びつかなかったのです。

1990年代半ば以降、日本では携帯電話が爆発的に普及しました。そしてその過程で様々な変容を遂げています。小型軽量化で進んでいた技術トレンドが、iモードの登場で画面の大型化に向かうなど、新しい技術の登場などが起点となって流れが変わったりしてきました。画面の見易さが重視される昨今では、多くの携帯電話が折り畳み式になっています。でも、新しい技術の投入だけで流れが作り変えられたと考えるのは技術の過信かもしれません。

例えば、折り畳み式の携帯電話を女性のコンパクトみたいだと思った人も案外多いのではないでしょうか。人は、新しいモノを見たとき、「○○みたいなモノ」と、比喩を使って理解します。新しい機能が普及する、トレンドが変わるという際には、それを受け容れる人間側のリテラシーと切り離して考えることはできないのではないでしょうか。

先の空港での出来事も、iモード爆発的普及のニュースは知っていても、人間側にリテラシーが準備されていないと理解できない。更に言うと、ケータイは情報技術と人間社会の間でおこる多元的な相互作用の中からメディアとして形作られてきたと考えられるのではないでしょうか。

研究者紹介

レポート

  • 第一回理事会報告をもとに再構成しております。
  • 文責・モバイル社会研究所・企画担当。
  • ※敬称略