― 情報と社会と関係をケータイする時代に ―
パソコン+インターネットでは実現できなかったほどに、ケータイは生活の現実感をネットワーク上の情報空間と結びつけている。そして今、現実空間が情報空間と結びついたことで、コミュニケーション環境は大きく変化し、人々の存在は不確実性が高まっている。
外界と区切られることで成立してきた「家族コミュニティ」と、空間的な制約を越える「情報通信メディア」の関係や、従来は行政的な境界から定義づけられていた「地域コミュニティ」を活動する集団に作り変える試み、情報通信メディアによってエンパワーされた「個人」と「職場コミュニティ」の葛藤、そして、所与には紐帯を持たないにも関わらず自己組織化する「ネットコミュニティ」での秩序形成など、人々を認知する場における話題を手掛かりに、情報空間と現実空間を横断する射程でのコミュニティのデザインを考察していく。
その先に見える「ハイブリッド・コミュニティ」・・・ それは、次代を創り出すための戦略構想とも言えるべきものかもしれない。
| 執筆者 | : | 遊橋裕泰・坂下玄哲・平岡善浩・ 馬立歳久・河井孝仁・水越康介 |
| 編著者 | : | 遊橋裕泰・河井孝仁 |
| 企画 | : | モバイル社会研究所 |
| 発行所 | : | 日本経済評論社 ISBN978-4-8188-1926-9 |
| 発行日 | : | 2007年3月15日 |
| 定価 | : | 1,800円+税 |
※ 敬称表記は省略させて頂いております。
Ⅰ ハイブリッド・コミュニティ思考(執筆:遊橋裕泰)
- ケータイが結びつける現実社会と情報社会
- 情報化した個人の変化
- コミュニティのデザイン
- 本書の構成
- 負の側面への言及
Ⅱ 情報社会が生み出す諸問題(執筆:坂下玄哲)
- ICTに潜む負の側面
- ICTがもたらす4つの問題
- 問題解決に向けて
Ⅲ 住環境のリ・デザイン(執筆:平岡善浩・馬立歳久)
- これまでの家族と住居に関するいくつかの問題
- モバイル時代の家族と住居
- 具体的な住環境の提案
Ⅳ 地域環境のリ・デザイン(執筆:河井孝仁)
- 地域とは何か
- モジュールとしてのコミュニティへの招待
- なぜ、地域は再設計される必要があるのか
- 「eコミュニティしまだ」という経験
- 地域ブログポータル「はまぞう」
- 地域の再設計を可能にするデザインとは
- 「人」が発見され、育つデザインとして
Ⅴ 職場環境のリ・デザイン(執筆:遊橋裕泰)
- モバイルワーカーと戦略会議
- ケース1「山崎文栄堂」
- ケース2「日本コムシス」
- 企業組織のコミュニティ化
- 今後の職場環境を読み解く
- 企業の社会的責任
Ⅵ ネット環境のデザイン(執筆:水越康介)
- 血縁も地縁もない世界
- 規範形成のメカニズムとネット・コミュニティの課題
- 新しいネット・コミュニティの形
- ネット・コミュニティと現実のメディア
Ⅶ 現実社会と情報社会を超えて(執筆:遊橋裕泰)
- コミュニケーションという社会システムのデザイン
- 今後に向けて―ハイブリッド・コミュニティの意義
補論 技術から社会を考える(執筆:遊橋裕泰)
- ウェブ2.0のインパクト
- コンピュータは小さくなったのか大きくなったのか?